ウジミナス製鉄所は、過去3年間継続していたブラジルの深刻な経済リセッションによる鉄鋼製品の販売落ち込みや経営主導権争いの内紛で破産宣告寸前まで経営が悪化していた。
しかし自動車業界の自動車輸出牽引による自動車販売増加並びに好調な白物家電販売増加に対応するために、ミナス州イパチンガ市の製鉄所の高炉を来年4カ月から再稼働、またアジア向け鉄鉱石輸出のために鉄鉱石の増産を決定している。
過去最悪のブラジルの経済リセッションやラヴァ・ジャット汚職問題によるインフラプロジェクト入札の中止や先送りなどの要因で、ブラジルの鉄鋼メーカーは軒並み経営不振に陥っていた。
2015年から経済リセッション並びに鉄鉱石の国際コモディティ価格下落、負債増加、経営権争いに見舞われていたウジミナス製鉄所は、2015年にイパチンガ製鉄所の高炉の停止を余儀なくされていた。
イパチンガ製鉄所の高炉の再稼働は、自動車メーカーや家電メーカー向けの平板需要拡大で2018年4月が予定されている一方で、サンパウロ州クバトン製鉄所の高炉の再稼働は2020年以降になると予想されている。
ウジミナス製鉄所グループ傘下の鉄鉱石生産会社Mineração Usiminasu(Musa)では、400人の従業員の新規雇用で現在の鉄鉱石生産240万トンを2018年第1四半期からアジア向けを中心に600万トンに引き上げる。
今年のウジミナス製鉄所の株価は、自動車や家電向けの平板鋼販売が牽引して56%増加して時価総額は123億8,000万レアルまで上昇している一方で、主に建設業界向けの棒鋼生産の実業家ベンジャミン・ステインベック氏が率いるナショナル製鉄所(CSN)の時価総額は、31.5%減少の100億8,000万レアルまで減少、ゲルダウは7.0%増加の179億5,500万レアルとなっている。
2012年のウジミナス製鉄所の純益は5億9,800万レアルの赤字を計上したが、2013年は1,600万レアル、2014年は2億800万レアルの黒字を計上、2015年は370万レアルの赤字、2016年は5億7,680万レアルの赤字を計上、今年初め11カ月間では3億6,000万レアルの黒字を計上している。(2017年12月4日付けエスタード紙)