昨日のブラジル鉄鋼院(IABr)の発表によると、来年のブラジル国内の鉄鋼製品販売は、自動車業界並びに建設業界が牽引して前年比4.9%増加の2,010万トンを予想している。
2018年のブラジル国内の鉄鋼販売は、ブラジル国内の経済回復による自動車販売の増加や建設・不動産業界の活況が牽引するとブラジル鉄鋼院(IABr)のマルコ・ポーロ・デ・メロ会長は予想している。
また全国自動車工業会(Anfavea)では、6月に今年の自動車生産は前年比11.9%増加を予想していたにも関わらず、アルゼンチン向け自動車輸出が好調で9月には25.2%増加に上方修正している。
今年6月のブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)では、今年のブラジル国内の鉄鋼製品販売は前年比1.2%微増の1,672万トンを予想していたにも関わらず、9月には3.8%増加に上方修正している。
今年初め8か月間のブラジル国内の粗鋼生産は前年同期比8.5%増加、輸出用平板を主に生産するペセン製鉄所が操業開始した影響で、今年のブラジルの粗鋼生産は9.2%増加の3,415万トンに達すると予想されている。
2018年のブラジルの鉄鋼販売水準は、2013年~2016年の鉄鋼製品の平均販売よりも32.2%減少に留まると予想、2013年当時の水準まで回復するのは2028年になると予想されている。
今年の鉄鋼製品輸出は、輸出用平板を生産するペセン製鉄所の操業開始も後押しして前年比14.5%増加を予想、また2016年9月にジウマ元大統領の経済成長加速プログラム(PAC)に替わるインフラ事業の更なる民営化を目的とした投資パートナーシッププログラム(PPI)によるインフラプロジェクト入札が2018年から活性化すればブラジルの鉄鋼業界は回復サイクルに突入すると見込まれている。(2017年12月1日付けヴァロール紙)