数年間に及ぶ経済リセッション長期化による製造業部門の販売不振による生産調整、ペトロブラス石油公社関連のラヴァ・ジャット作戦汚職問題によるゼネコン企業の投資中止などの影響を受けて、機械や装置の販売不振で設備投資生産業界が壊滅的な打撃を受けているとブラジル機械・装置工業会(Abimaq)のジョアン・マルケザン会長は憂慮している。
現在の機械・装置販売は2013年の50%以下まで落ち込んでブラジルはオランダ病一歩手前の瀕死状態にあり、間違った道を進んでいるため早急な工業政策転換など手を打たなければしなければならないとジョアン・マルケザン会長は指摘している。
機械・装置などの設備投資向け製造業部門の雇用は、2013年以降では9万人が業界から去っており、今年初め5か月間では前年同期比5.7%の雇用減少を記録、特に鋳物セクターやボイラーセクターの雇用減少が顕著となっている。
2013年の製造業部門生産はGDP比18% を占めていたが、インフレ整備部門向け受注生産の機械・装置セクターがラヴァ・ジャット作戦汚職問題の影響を受けて、昨年はGDP比11.0%まで減少している。
しかし記録更新が予想されている穀物生産が牽引して、唯一農業機械セクター販売は、好調に推移して製造業部門の機械・装置販売の20%を占めるまでに達している。
農畜産部門のGDPは全体の7.0%を占めているにも関わらず、歳入総額は全体の僅か3.4%に留まっており、農畜産部門向け投資の平均金利は7.5%~8.5%に留まっている。
一方製造業部門生産はGDP比11.0%、歳入総額は全体の20%を占め、製造業部門向け投資の平均金利は15%以上で、製造業部門の税率や銀行金利は、農畜産部門よりも不利な条件となっている。
今年初め5か月間のレアル通貨はドルに対して前年同期比15.0%以上上昇、インフレ指数を差引いた実質金利は4.5%から7.5%に上昇、更にクレジット部門の縮小や製造業部門の失業者は10%以上増加しているとジョアン・マルケザン会長は指摘している。(2017年7月11日付けヴァロール紙)