過去2年間の国内の鉄鋼製品消費は、経済リセッション並びにラヴァ・ジャット作戦汚職問題によるインフラ整備プロジェクト低迷で非常に落ち込んでいる影響で、各鉄鋼メーカーでは鉄鋼製品生産の減産を余儀なくされていた。
しかし過去6か月間で国内の鉄鋼製品消費に僅かな回復傾向が表れてきているにも関わらず、平板鋼メーカーのウジミナス社並びにナショナル製鉄所、建設用の棒鋼製品メーカーのゲルダウ社は、減産並びに負債増加などの要因で吐息状態が継続している。
更に最近のドルに対するレアル通貨上昇に伴って、輸入鉄鋼製品が国内鉄鋼製品に対してコスト面で有利な展開となっている。2月の過去12カ月間の鉄鋼製品需要は1,854万トンと1年前の1,812万トンから僅かに上昇している。
過去6カ月間の自動車や白物家電向け平板鋼の国内消費は6.0%増加した一方で、建設用棒鋼の国内需要は建設・不動産業界や公共事業の低迷でマイナス2.0%となっている。
ドルに対するレアル通貨の上昇に伴って、輸入鉄鋼製品が価格面で国内鉄鋼製品よりも有利になってきており、2月の輸入鉄鋼製品のマーケットシェアは11.1%、そのうち輸入平板鋼のマーケットシェアは昨年6月並みの9.4%、輸入棒鋼製品のマーケットシェアは昨年3月以降では最高の13.7%に達している。
しかしドル安の為替に伴って輸入熱間圧延鋼板は国内熱間圧延鋼板よりも20%安く、前記同様に冷間圧延鋼板及び電気亜鉛メッキ鋼板は30%も安くなっている。
2月の過去12カ月間の国産の平板鋼消費は、昨年8月からの上昇傾向で59万2,800トン増加、輸入の平板鋼消費は39%増加の22万9,600トン増加している。(2017年4月18日付けヴァロール紙)