世界の150鉄鋼メーカーが加入する世界鉄鋼協会(world steel Association)の発表によると、今年の世界鉄鋼消費は中国経済の停滞が牽引して前年比0.8%減少すると予想、昨年の世界鉄鋼消費3.0%減少に続いて2年連続で減少すると予想している。
また2017年の世界鉄鋼消費は、欧米諸国の鉄鋼需要回復が牽引して0.4%増加の14億9、000万トンを予想、しかし中国の鉄鋼需要は引き続き停滞すると予想している。
特に自動車・鉄鋼セクターが牽引している中国経済の停滞並びに回復予想が期待できない建設業、石油・鉄鉱石などの国際コモディティ価格の低迷、世界貿易の伸び止まりなどの影響で、今年の中国の鉄鋼需要は前年比4.0%減少、2017年も3.0%減少の6億2、610万トンに留まると予想、2013年比では15%減少すると予想されている。
また今年の中国を除く世界鉄鋼需要は前年比1.8%増加、2017年も3.0%増加すると予想、しかしブラジルなどの新興国の鉄鋼需要は輸出の減少並びに国際コモディティ価格の低迷、現地通貨の為替の下落などの要因で鉄鋼需要は減少すると予想されている。
今年のブラジル並びにロシアの鉄鋼需要は減少すると予想、特にブラジルの昨年の鉄鋼需要は前年比16.7%減少、今年も8.8%減少すると予想されているが、2017年は景気回復に伴って3.1%増加に転じると予想されている。
また今年のヨーロッパ諸国の鉄鋼需要は前年比1.4%増加予想、2017年は1.7%増加予想、今年の米国の鉄鋼需要は、石油の国際コモディティ価格の低迷並びにドル高の為替の影響で前年比3.2%増加、2017年は2.7%増加に留まると予想されている。(2016年4月14日付けヴァロール紙)