今年のブラジル国内の鉄鋼需要は、中国経済停滞が牽引して世界的な鉄鋼需要の落込み、長引く国内経済リセッションやラヴァ・ジャット作戦汚職問題による公共事業プロジェクト停止や新規インフラ事業取消、住宅ブームの終焉などの影響で大幅な落ち込みが予想されている。
今年の国内鉄鋼製品消費は、前年比8.8%減少の1940万トンと2009年以降では最低の消費予想、昨年の国内鉄鋼製品消費は、前年比16.9%減少の2,130万トンであった。
2015年並びに今年2年間の国内鉄鋼製品消費は25.7%減少、今年の鉄鋼生産は前年比1.0%減少の3,290万トン、今年の国内の鉄鋼製品販売は前年比4.1%減少の1,740万トンに留まるとブラジル鉄鋼院(IABr)のマルコ・ポーロ・デ・メロ・ロペス会長は予想している。
今年の鉄鋼製品の国内消費減少並びのドル高の為替でブラジル鉄鋼メーカーは鉄鋼製品の輸出を余儀なくされており、ブラジル鉄鋼院(IABr)では今年の鉄鋼製品輸出は前年比2.3%増加の1,400万トン、一方で輸入鉄鋼製品はドル高の為替の影響で前年比38%下落の200万トンに留まるとそれぞれ予想されている。
鉄鋼業界は今年上半期に操業中止や減産などの影響で1万1,332人の従業員の解雇を予想、4月にはVallourec製鉄所の高炉の停止など23工場での操業停止が予想されている。
2014年並びに2015年の鉄鋼メーカーの操業停止や減産は74工場に達した影響で鉄鋼業界の2万9,740人が解雇されたが、2013年末の鉄鋼メーカーの従業員は12万人であった。(2016年3月29日付けヴァロール紙)