中国経済の停滞による一次産品の国際コモディティ価格の下落、世界的な鉄鋼製品供給過剰にも関わらず、中国の鉄鋼メーカーは増産を継続して鉄鋼製品の国際コモディティ価格下落を誘発、ブラジルの鉄鋼メーカーの株価は軒並み下落している。
昨年12月の中国のサービス業活動の指標となるサービス業購買担当者指数(PMI)は、50.2ポイントと前月の51.2ポイントから大幅に低下して1年5カ月ぶりの低水準を記録、サービス業活動拡大と縮小の境目である50ポイントに接近して危険的な水準まで低下してきている。
また昨日、北朝鮮が「水爆実験」を発表したことも世界の株式市場に大きな影響を与え、昨日のサンパウロ平均株価(Ibovespa)は1.52%減少の4万1,773.14ポイントと2009年3月31日以来の安値を記録している。
昨日のブラジルの各大手鉄鋼メーカーの株価は、過去数年間の長期販売不振や在庫増加の影響で軒並み下落、ゲルダウ・メタルルジカ優先株は12.93%、ゲルダウ優先株は8.08%、ウジミナス優先株は8.96%、CSN普通株は7.90%、ヴァーレ優先株は7.58%、普通株は7.35%それぞれ下落している。
現在の世界の鉄鋼製品生産は、主に中国鉄鋼メーカーが増産を継続して過剰在庫となっており、2015年の世界鉄鋼メーカーの生産は23億トンで需要を50%上回って需給関係が完全に崩れている。
中国の鉄鋼生産は需要を4億トン上回る過剰生産、また米国の国内需要を50%上回る鉄鋼製品を不当に安い価格で輸出しているため世界の鉄鋼生産国が打撃を受けている。
中国の鉄鋼メーカーは世界の鉄鋼メーカーの生産に歩調を合わさないために、中国鉄鋼製品輸入に対する輸入関税の引き上げをゲルダウグループのジョルジ・ゲルダウ会長は連邦政府に要請している。(2016年1月7日付けエスタード紙)