8月の世界の鉄鋼生産は、世界的な供給過剰体制の継続並びに鉄鋼製品の国際コモディティ価格の減少などの要因で前月比0.5%減少の1億3,230万トン、前年同月比では3.0%と大幅に減少している。
今年初め8か月間の世界の鉄鋼生産は前年同期比2.3%減少の10億8,000万トンを記録、特に米国の鉄鋼生産は8.5%減少、中国は僅かに2.1%の減少に留まっている。
World Steel Association(WSA)の発表によると、8月の世界鉄鋼メーカーの平均設備投資稼働率は68%と7月の68.4%、前年同月の74.2%をそれぞれ下回って世界金融危機後の2009年4月の水準まで低下してきている。
8月の中国の鉄鋼生産は前年同月比3.5%減少の6,690万トンになったにも関わらず、8月の鉄鋼生産は前月比1.7%増加して世界のマーケットシェアは49.5%から50.6%に上昇している。
8月の米国の鉄鋼製品生産は前年同月比9.7%減少の700万トン、前月比では0.5%減少、ヨーロッパ連合の鉄鋼製品生産は前年同月比0.1%減少、前月比では13.1%減少の1220万トンとなっている。
8月の鉄鋼製品生産は前年同月比5.4%減少の280万トン、ロシアは3.2%減少の600万トン、トルコは11.8%減少の260万トン、日本は5.8%減少の880万トンとなっている。
格付け会社Fitch Ratings社は、ナショナル製鉄所(CSN)の格付けを“BB”から “B+”に格下げしたが、鉄鉱石価格が更に下落すればもう一段の格下げにつながる。
CSN社のEbitdaは、鉄鉱石の国際コモディティ価格の減少に伴って12億ドルまで減少、しかし同社は電力エネルギー並びにコンテナ用港湾ターミナル、ウジミナスやMRS Logisticaの株式等の資産売却で22億レアルの資金調達が見込まれている。(2015年9月22日付けヴァロール紙)