中国を中心とした世界的な鉄鋼需要の減少ならびに鉄鉱石の国際コモディティ価格下落にも関わらず、世界の鉄鉱石生産メジャーは増産を続けているために益々鉄鋼メーカーの収益が圧迫されている。
ウジミナス製鉄所では今月18日に鉄鋼生産調整のために、クバトン製鉄所並びにイパチンガ製鉄所でそれぞれ高炉1基ずつ休止すると発表して銑鉄を月間約12万トン減産する。
ウジミナスでは高炉2基停止にともまって減産を余儀なくされ、またコスト削減のために3000人の事務職員を対象に1週間4日勤務制度を採用、また一律にサラリー削減制度を導入して従業員の解雇を避ける話し合いを労働組合と行っている。
鉄鉱石の国際コモディティ価格減少並びに世界的な鉄鋼需要を上回る供給、レアル通貨に対するドル高の為替でブラジル国内の鉄鋼メーカーの収益が圧迫されているために、各鉄鋼メーカーでは生産コスト並びに人件費コストの削減を余儀なくされている。
ウジミナスは第1四半期の粗鋼販売は前年同期比16.5%減少の137万9,000トン、純益は2億3,500万レアルの赤字を計上、特に付加価値の高い圧延鋼の需要減少に伴って同期の売り上げは11%減少している。
しかし中国の鉄鉱石の在庫減少に伴って鉄鉱石のスポット価格が上昇に転じており、今月27日の1トン当たりの鉄鉱石価格は62.6ドルと過去3か月間で最高の価格を記録している。(2015年5月29日付けエスタード紙)