65カ国の170鉄鋼メーカーが加盟している世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、昨年の世界の粗鋼生産は前年比1.2%増加の16億6,200万トンに達している。
予想よりも低い経済成長率を記録した昨年の中国の粗鋼生産は、前年比0.9%増加の8億2,270万トンで世界の粗鋼生産の49.5%を占めて圧倒的な粗鋼生産量を記録している。
昨年の中近東の粗鋼生産は、建設業部門やインフラ整備部門の鉄鋼消費が牽引して前年比7.7%増加の2,850万トンを記録したにも関わらず、中近東の世界の粗鋼生産のマーケットシェアは僅かに1.7%にとどまっている。
中国に次いで昨年の日本の粗鋼生産は前年比0.1%増加の1億1,070万トンを記録、米国は1.7%増加の8,830万トン、インドは1.7%増加の8,320万トンと米国との差が縮小してきている。
昨年の韓国の粗鋼生産は前年比7.5%増加の7,100万トンとロシアを抜いて5位に上昇、ロシアは前年比2.6%増加の7,070万トン、ドイツは0.7%増加の4,290万トンとなっている。
昨年のトルコの粗鋼生産は前年比1.8%減少の3,400万トン、ブラジルは0.7%減少の3,390万トン、ウクライナは政治や経済問題の影響で前年比17.1%下落の2,774万トン、その他の諸国の粗鋼生産は2億7,740万トンであった。
昨年のブラジルの粗鋼生産は内需の減少や輸出競争力の低下で生産能力の4,800万トンの僅か70%の生産に留まっており、国内消費の16%を輸入製品が占めている。
昨年12月のブラジル国内の粗鋼生産の設備稼働率は72.7%と昨年の月間平均の設備稼働率76.7%を大幅に下回っており、また2013年の設備稼働率は78.4%であった。
昨年のヨーロッパの粗鋼生産は前年比0.1%減少の3億1,290万トン、南米は1.45減少の4,520万トン、アフリカは0.7%減少の1,590万トンであった。(2015年1月23日付けヴァロール紙)