ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)は、6月の鉄鋼販売は自動車産業などが不振で32万4,300トンと今年最低の販売になると予想、5月の鉄鋼販売は36万8,500トンであった。
またブラジル国内の鉄鋼価格は世界平均よりも高いために鉄鋼輸入が継続しており、5月の鋼板輸入は前年同月比124%増加の22万4,700トン、今年初め5カ月間の鋼板輸入は前年同期比50%増加、そのうち70%は中国からの輸入であった。
ブラジル経済の低迷で鉄鋼製品の減産を余儀なくされているウジミナス社の今年の株価は44.3%下落、CSN社の株価は33.5%下落、ゲルダウ社の株価は26.3%下落している。
ゴールドマン・サックス証券は、世界的に鉄鋼需要が減少して価格が減少傾向となっているために、ウジミナス社並びにCSN社、アセロールミッタル社は鋼板価格を値下げする必要があると指摘しており、ウジミナス社は第3四半期に3.0%、第4四半期に2.0%それぞれ値下げを行う必要があると指摘している。
CSN社は米国のロシア資本Severstal社の買収に名乗りを挙げており、Severstal社の第1四半期の売上は10億8,000万ドル、同社はミシガン州とミシシッピー州に製鉄所を擁しており、資産価格は15億ドル以上と見込まれている。
CSN社は米国のインジアナ州に年間80万トンの冷間圧延鋼板並びに亜鉛メッキ鋼板を生産する製鉄所を擁しており、昨年はアラバマ州の圧延鋼を生産するCalvert社の買収を試みた経緯があった。(2014年6月27日付けヴァロール紙)