ブラジル鉄鋼院(IABr)のベンジャミン・バプチスタ・フィーリョ取締役は、2022年のブラジル国内の鉄鋼製品の輸入比率は、国内消費の58%に達する可能性があると予想している。
現在の付加価値の高い圧延鋼や圧延鋼板の直接輸入並びに間接輸入の比率は、32%まで達して2008年の輸入比率24.7%から大幅に増加してきており、特に中国からの輸入が急増している。
昨年のレアル通貨に対するドルの為替は15%上昇したために、ブラジルの鉄鋼製品価格の輸出競争力は上昇したにも関わらず、トルコのリラ、ロシアのルーブル、中国の元等も下落したために、レアル安の為替効果が相殺されている。
2010年の鉄鋼製品は600万トンと2008年の2倍以上に達しており、輸入鋼板はブラジル国内の消費の25%に達していたが、現在は12%まで減少しているにも関わらず、理想の8%には程遠い。
バプチスタ・フィーリョ取締役は、ブラジル国内の鉄鋼需要の減少や電力料金コストの上昇、人件費の高騰、安価な中国性の鉄鋼製品の急増などの要因に伴って、鉄鋼メーカーの数カ所の高炉の停止が余儀なくされているために、設備稼働率は65.8%まで低下している。
ブラジル国内の鉄鋼メーカーの29高炉の稼働で4,840万トンの粗鋼生産能力があるにも関わらず、昨年のブラジル国内の粗鋼生産は、稼働能力を30%下回る3,420万トンであった。(2014年3月24日付けヴァロール紙)