2013年第4四半期のブラジルの鉄鋼メーカーの決算は、好調に推移したにも関わらず、今年の鉄鋼メーカーの株価は、中国経済の先行き見通しの不透明感や鉄鉱石価格の国際コモディティ価格の減少で軒並み下落している。
今年のウジミナスの株価は37%下落、ナショナル製鉄所(CSN)の株価は31%下落、ゲルダウ社の株価は23%下落、サンパウロ平均株価(Ibovespa)は12%下落している。
ブラジルの鉄鋼メーカーの株価が軒並み下落している要因として、鉄鉱石価格の国際コモディティ価格の減少、低調な中国経済による鉄鉱石需要の減少、低いブラジルのGDP伸び率予想、ブラジル国内の低い鉄鉱石需要、ワールドカップによる製造業部門の生産減少、電力エネルギーの節電政策導入の可能性、企業経営者の景況感の悪化による投資の減少などとなっている。
2013年のウジミナス社の株価は11%上昇、ゲルダウ社は4%、ナショナル製鉄所は33%それぞれ上昇したにも関わらず、米国の量的緩和政策縮小の発表やペトロブラス石油公社の株価の下落などの要因でIbovespaは15%下落していた。
今年の鉄鉱石価格の国際コモディティ価格は18%下落の1トン当たり109.6ドル、ナショナル製鉄所並びにゲルダウ社は鉄鉱石を自給できる体制をすでに整えているが、ウジミナス社は年内に自給体制が完了する。
今年の自動車業界向け鋼板需要は昨年並みに留まると予想、米国の1トン当たりの熱間圧延鋼板の価格は620ドルから640ドルで推移しており、2013年の底値に近い価格で推移するとメリルリンチ証券では予想している。(2014年3月18日付けヴァロール紙)