今年初めに製造部門が牽引してブラジルの国内総生産(GDP)が3.5%から4.0%伸びると予想されていたが、連邦政府による一連の経済活性化政策や減税政策の導入にも関わらず、製造業のバロメーターとなる機械・装置部門の設備稼働率が73.9%と理想の86%から90%を大幅に下回っている。
機械・装置部門の受注残高は2.71週間と過去最低を記録して、2008年の世界金融危機直前の受注残高4.46週間から半減しており、企業経営者は一般消費の落ち込みが深刻なために投資を控えている。
ブラジル機械・装置工業会(Abimaq)のジョゼ・ヴェローゾ会長は、「インフレ整備セクターを中心に機械・装置の受注が大幅に減少しているが、唯一農業向け機械・装置の受注が増加している」と説明している。
今年初めの5カ月間の機械・装置の販売は、前年同期比7.6%減少の308億1,200万レアル、機械・装置の輸入は前年同期比1.5%増加の132億1,400万ドル、輸出は16.4%減少の44億4,400万ドルと益々貿易収支赤字が拡大している。
第1四半期の住宅投資、設備投資並びに公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)の伸び率は、前年同期比4.6%増加していたが、レアルに対するドル高の為替でインフレ圧力が大幅に増加して機械・装置の需要が大幅に減少してきている。
スタンダード&プアーズ社は低成長の継続、財政および対外面でのファンダメンタルズの弱さ、経済政策に対する信頼性低下が外的衝撃に対応する能力を低下させる可能性があると指摘して、ブラジルの長期格付け見通しを「安定」から「ネガティブ」の変更したために、企業経営者の景況感を更に悪化させている。
7月の企業経営者の景況感指数(Icei)は、4.9ポイント減少の49.9ポイントと2009年4月以来では最低を記録しており、企業経営者の大半は投資を控えている。(2013年7月22日付けエスタード紙)