ブラジル鉄鋼院(IABr)の発表によると、昨年のブラジルの鉄鋼生産は、前年比1.5%減少の3,470万トンに留まって、リーマンブラザーズ銀行破綻をきっかけとした世界金融危機が発生した2008年以降では初めて前年の生産を下回った。
今年のブラジル国内の鉄鋼生産は港湾戦争終結するために一律4.0%の商品流通サービス税(ICMS)導入並びに国内経済の緩やかな回復、中国の国内経済活性化政策の導入などで、IABr鉄鋼院では、昨年よりも大幅な増産を見込んでおり、またドル高の為替で鉄鋼製品の輸入は減少すると予想している。
昨年の鉄鋼製品の輸入は、IABr鉄鋼院が連邦政府に要請した13品目の鉄鋼製品の輸入税の増加要請のうち10品目が適用された影響で、2011年並みの380万トンに留まっている。
ヨーロッパの債務危機や米国の景気後退、ブラジル国内の経済成長伸び率の大幅な低下などの影響を受けて、ブラジルの鉄鋼メーカーは軒並み増産計画の中止や先送りをしており、チッセン・クルップがリオ州に建設したばかりのアトランチコ製鉄(CSA)を売り出している。
また昨年のブラジルの鉄鋼製品の輸出は前年比10.4%減少の970万トン、輸出価格は16.8%減少の70億ドル、鉄鋼製品の輸入は380万トン、昨年のブラジル国内の鉄鋼製品の消費量は前年比0.5%増加の2,520万トンとなっている。(2013年1月19日付けエスタード紙)