ナショナル製鉄(CSN)は主に中国からの自動車や家電向けの輸入鉄鋼製品にダンピングの疑いがあるために、9月にアンチダンピングなどのセーフガードの発令を連邦政府に要請したにも関わらず、自動車メーカーが反対している。
ワーゲン並びにルノーなどの自動車メーカーは、ブラジルの国産鉄鋼製品は世界でも最も高いために輸入鉄鋼製品との価格競争を奨励しており、連邦政府によるアンチダンピングの発令に反対している。
自動車並びに家電向け高級鋼板の輸入は年間40億レアル以上となっているが、CSN製鉄ではアンチダンピング調査で過去17カ月間に30万レアルを出費している。
自動車並びに家電向け高級鋼板の輸入は、中国並びにオーストラリア、韓国、インド、メキシコとなっており、2006年の輸入製品は全体の4.5%を占めていたが、2010年には36.6%まで増加している。
世界景気の後退で世界の鉄鋼製品は5億3,000万トンの供給過剰に陥っているために、世界の大手鉄鋼メーカーは原価割れ並みの価格で販売合戦を余儀なくされているとブラジル鉄鋼院のマルコ・アントニオ・デ・メロ会長は説明している。(2012年12月3日付けエスタード紙)