中国の国内経済停滞に伴って中国の鉄鋼メーカーの在庫が増加しているために、軒並み減産を強いられている影響で鉄鉱石価格が減少、またブラジルの中国向け鉄鉱石輸出も減少している。
中国の鉄鋼製品価格は今年9カ月間で26%減少、上海宝鋼集団(Baosteel)は生産コストの上昇並びに中国国内の鉄鋼需要の減少で上半期は赤字に転落、武漢輝鐵汽車鋼板有限公司(Wuhan steel )などの多くの鉄鋼メーカーは、一時的に生産を中止して生産調整を余儀なくされている。
2011年の中国の鉄鋼メーカーの生産能力は8億5,000万トン、鉄鋼生産は6億8,300万トンと世界の46%のマーケットシェアを占めていたが、ブラジルの鉄鋼生産3,500万トンの5倍に相当する1億6,700万トンの余剰生産能力がある。
今年の中国の鉄鋼の生産能力は9億トンに上昇するにも関わらず、鉄鋼生産は7億トンに留まると予想、今年上半期の鞍钢股份有限公司(Angang Steel)は6億4,000万レアルに相当する赤字を計上、昨年上期は7,100万レアルに相当する黒字を計上していた。
9月7日に中国政府は約1,500億ドル規模のインフラ事業の発表を受けて、含有量が62%の鉄鉱石の国際コモディティ価格は、久しぶりに100ドルを突破する1トン当たり101.75ドルに上昇、8月末の鉄鉱石価格は87ドルであった。
今年7月の鉄鉱石価格は130ドルまで上昇していたにも関わらず、大半の鉱物コモディティ商品のスペシャリストは、今後110ドルから120ドルで推移すると予想、昨年初めは200ドルまで上昇していた。
中国の鉄鉱石消費は年間11億トン、そのうち中国の国産鉄鉱石の消費は3億5,000万トンから4億トンに達しているが、含有量が20%と非常に低いために、ブラジルから鉄鉱石の輸入を継続しなければならない。
2001年のブラジルの中国向け鉄鉱石輸出は4億8,260万ドルで輸出総額の僅かに0.83%を占めていたが、昨年は198億ドルと輸出額の7.73%を占めて飛躍的に増加している。(2012年10月1日付けエスタード紙)