チッセンクルップ社が 73.13%、ヴァーレ社が 26.87%の資本参加しているCSA製鉄所の売却の要因として、米国の鉄鋼需要の悪化以外にも、労働コストの上昇並びにインフレの悪影響、為替の変動などが収益を圧迫して売却を後押ししている。
昨日のRio Investors Dayのセミナーでは、ゲルダウ社並びにウジミナス社はCSA製鉄所の買収には否定的であり、ナショナル製鉄所(CSN)の関係者もコメントを避けている。
ゲルダウ社はブラジル国内の鉄鉱石の増産並びにインドでの特殊鋼の生産開始に投資を集中させており、また今後5年間でさらに100億レアルを投資するために、資金的に買収する余裕がない。
現在のブラジル国内の鉄鋼メーカーは、国内需要の先行き不透明感の増加、ドル高の為替、今年の国内総生産(GDP)伸び率は3.0%に留まると予想されているために、ブラジルの国内メーカーによるCSA製鉄所の買収は実現しないと予想されている。(2012年5月22日付けエスタード紙)