政策対話委員会のインフラワーキンググループは、2018年1月23日、リオの社会経済開発銀行(BNDES)本部にて、当ワーキンググループで議論してきているAGIR提言につき、BNDESとの政策対話会合を開催した。BNDESからは、ルシエネ・マシャドインフラ部ダイレクター、ビビアン・マシャド国際機関部マネージャー、アンドレア・カンポス国際渉外部マネージャー、エドアルド・コスタ物流部門マネージャー、アドリアノ・ザネッチエネルギー部門エンジニア、ホムロ・リベイロインフラ部秘書の6名が参加し、インフラ改善に関するざっくばらんな意見交換が行われた政策対話会合となった。
冒頭、粟屋政策対話委員会委員長より、政策対話委員会の目的、活動の経緯、そして、インフラワーキンググループの活動概要についての説明が行なわれ、次に参加者全員が、それぞれの自己紹介を行なった。BNDESのルシエネダイレクターは、ブラジル政府、そしてBNDESは、経済の変動、貧弱なインフラ改善の為の長期融資は、チャレンジが大きいが、BNDESは長年インフラ投資に力を入れていると説明、カマラにインフラに特化したワーキンググループが存在し、ブラジルのインフラ投資に関心があり、政策対話会合開催に感謝の意を述べた。
また、インフラワーキンググループから、PPIに関するBNDESとしての役割、またBNDESのインフラ分野向けの融資の現状などについて質問に対し、ブラジル政府の意向に沿いながら、なるべく具体的なプロジェクト、そして成功するプロジェクトを選んで融資すべく、より成熟したプロジェクトへの融資、適切な入札期間の確保や入札言語についての改善があるとの説明があった。BNDESだけではブラジルのインフラ投資全てを賄えるわけではなく、民営化を進めるなど、インフラ改善の為にはまだ様々な課題が残されているとし、ビジネス環境改善のためにも一緒に会合を行なっていくことが重要であるとした。
長期の為替リスク軽減については、BNDESとしてまだ検討できる段階ではなく、財務省や中央銀行などその他の金融機関とも議論をしていくことも大事であるとした。他国での外貨投資の経験やブラジル国内での外貨の調達が不足していることもあり、IFCやBIDなどと為替リスク対策について連携していると述べた。また、輸出による外貨調達、インフラ事業の外貨による使用料の調達、国際協力の強化、また空港案件の為替保険制度など、為替リスク対策については、お互いにざっくばらんな意見交換が行われた。
日本については、安心できるパートナーであると話し、長期に渡り細かく丁寧に対応してくれ、また新規プロジェクトにも興味を示してくれているとした。エネルギー関係で中国からの投資が増えていることについて触れると、まだ関係を構築し始めているところであるとの説明があった。今後もブラジルインフラ分野におけるビジネス環境改善について、積極的に会合を開催していくことが約束され実りある会合となった。
参加者:粟屋政策対話委員会委員長(双日)、斉藤グループ長(JICA)、池谷副グループ長(デロイト)、中島委員(三菱重工)、青山委員(東京三菱UFJ銀行)、櫛引委員(JBIC)、宮本委員(JICA)、平田事務局長、吉田調査員