政策対話委員会(粟屋聡委員長)インフラWGは、2017年6月12日午後4時から6時過ぎまで、FVG大学のクラウジオ・フルタド教授をお招きして、インフラ投資における為替リスクに対する新しい為替保険モデルに関する勉強会を開催、22人が参加した。この勉強会は神戸保氏による日本語への同時通訳の下行なわれた。
クラウジオ教授は、インフラの投資調達に関する課題のひとつの為替リスクを回避できる保険組織モデルの設置についての説明を行った。長期のインフラ投資へのリスクのひとつとして、WGでも為替リスクに関する議論を行ってきているが、民間や政府が一緒になり、リスク軽減のブラジルでは新しい為替保険組織モデルの設置について述べた。この組織をマネージするのは、国際的に信頼性のある機関が望ましく、政府の介入も様々な段階でできるモデルであると語った。クラウジオ教授のアシスタントであるジオバニ・ベルーゾ氏は、5億ドルを出資したシナリオで、為替予想値、その為替予想値になる確率、また保険額などの数値を様々なデータを下にFVG計算シミュレーションにより打ち出したと説明した。クラウジオ教授によると、このモデルは、PPI空港案件の為替保険制度とは違い、他国でも研究されており、ブラジルでの実証プログラムを積み重ねていきたいと期待した。質疑応答のセッションでは、シミュレーションの数値の根拠、このモデルの今後の導入計画、官民のリスクシェアや政府の介入、価格予想値の設定や保険額、スポンサー企業・組織、そして、為替差損以外の環境保全など大義名分へのアドバイスなど、積極的な議論が交わされた。
出席者は、斉藤顕生ワーキンググループ長(JICAブラジル事務所)、山本健介氏(ブラジルみずほ銀行)、星野聡氏(ブラジル三井住友銀行)、高野哲史氏(戸田建設)、池谷裕一氏(デロイト)、ルイス氏(デロイト)、福井盛一氏(伯国三菱商事)、飯田俊太郎氏(ブラジル住友商事)
政策対話委員会:粟屋聡委員長(双日ブラジル)、佐久間太郎副委員長(双日ブラジル)、二宮康史副委員長(ジェトロサンパウロ)、柳本安紀委員(双日ブラジル)、山本祐也委員(ジェトロサンパウロ)
オブザーバー:藍原健在サンパウロ総領事館副領事、宮崎直美在サンパウロ総領事館経済班担当、チアゴ・モレイラ氏(FINEP)、へナト・ソウザ氏(FINEP)。
事務局:平田藤義事務局長、吉田章則調査員、近藤千里アシスタント。
講演中のFVG大学のクラウジオ・フルタド教授