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下院公聴会でAGIRを説明、ブラジルの産業再生に向け議員らの協力を要請 2016/08/03

8月3日、ブラジル代議院議場(ブラジリア)において下院経済産業商業開発委員会主催の公聴会が開かれ、下院からオリベイラ委員長、ニシモリ議員(パラナ州)、セーザー議員(ピアウィ州)、ビトル議員(サンパウロ州)はじめ12名の議員、ブラジル日本商工会議所(カマラ)からは、村田俊典会頭(ブラジル東京三菱UFJ銀行)、松永愛一郎政策対話委員長(ブラジル三菱商事)、櫻井淳同副委員長(ブラジル三菱商事)、平田藤義事務局長、天谷浩之アドバイザー、吉田章則調査員の6名、日本大使館から、星野芳隆公使、小林和昭参事官、光廣政男書記官らが出席した。「日伯企業間の新たなビジネスチャンス拡大に向けた提言」と題された本公聴会は、両国関係の一層の強化、緊密化を目的に梅田大使とニシモリ議員のイニシアティブにより開催が実現したもので、当日は日本政府とカマラからそれぞれ、経済分野をはじめとした日伯関係の更なる関係強化に向けたプレゼンテーションが行われた。

冒頭、オリベイラ委員長は、大変重要な日伯間のビジネス機会をさらにどのように増やしていけるかについて、日本政府、商工会議所と共に議論できる本公聴会の意義を強調したうえで、本会実現に尽力された梅田大使、ニシモリ議員に謝意を示した。続いて挨拶に立ったニシモリ議員は、本会開催の目的として、1)日本企業のブラジルへの更なる投資実現に向けてカマラが取り組むAGIR活動の把握、2)日伯友好100年の歴史と日系ブラジル人による経済・社会分野への貢献に対する称賛、3)我が国の経済発展に大きく貢献してきた日本国、日本企業による大型プロジェクトや事業投資のレビューと日伯関係の重要性を再認識すること、の3点を挙げ、相互に知恵を出し合いながら両国関係の一層の強化に努めていきたいと本会への期待を述べた。

日本政府を代表して星野公使は、日系移民や在日ブラジル人との人的交流、寿司、焼きそばなど日本食文化のブラジルへの浸透、サッカーや柔道などを通じたスポーツ交流、さらにリオから東京へ繋がれるオリンピック・パラリンピックなど、様々な分野において両国関係は深く繋がっていると述べたうえで、70年代からのプロデセール、ウジミナス、セニブラ、イシブラスなどの大型プロジェクト事業を挙げ、経済分野における繋がりが両国関係の強固な土台となっているとして、日伯経済関係強化の重要性を指摘した。その一方で、ブラジルへの投資意欲を持つ日本企業が多く居るものの、投資環境上の多くの課題により進出を躊躇している企業も多く存在しているとして、AGIR活動へのブラジル側の協力を求めた。

続いてプレゼンテーションを行った村田会頭は、日伯経済関係の強化について、政治的・経済的困難に直面するブラジルには国運を賭けた痛みを伴う大きな変革が必要であると指摘した上で、その変革の一角を成すのが日伯EPAの締結だとして、それに向けたビジネス環境整備の一端を担う活動としてAGIRに取り組んでいると説明、議員らの理解と協力を求めた。

Pdf村田会頭プレゼン資料(PDF)
Pdf村田会頭発言原稿(PDF)日本語
Pdf村田会頭発言原稿(PDF)ポルトガル語

次に松永委員長から、AGIR活動の概要と本年1月からMDICとの間で行なっている政策対話の進捗報告ならびに食品部会(部会長=藤江太郎ブラジル味の素社長)が取りまとめた提言(ブラジル・世界に冠たる農業大国としての更なる発展に向けて)の説明が行なわれた。松永委員長は、ブラジルのあらゆる産業の競争力強化を図るには、課税、労働分野をはじめ、企業が日々直面するブラジルコストの是正が不可欠だとして、ICMS制度の抜本的改革、ST(代行納税制度)の廃止、移転価格税制の見直し、労働分野では、企業業績と乖離して増え続ける人件費負担の軽減、生産性向上を阻害する硬直的な労働法の問題点を指摘したうえで、産業界と労働組合が協調しながら現状の改善に取り組んでいく必要があるとして政府にその調整役を担うよう強く求めるとともに、ブラジルコストの是正に必要となる関係法の改正や新たな法律の策定など、ブラジルの産業再生とこれによる日伯間の経済関係の強化、ビジネス機会の拡大に向けた議員らの理解と協力を要望した。

Pdf松永委員長プレゼン資料(PDF)
Pdf松永委員長発言原稿(PDF)

公聴会の様子がライブ放送されました。その様子が下院のサイトよりビデオ観賞できます。(下記のリンクをクリックしてご覧ください)

http://www2.camara.leg.br/atividade-legislativa/webcamara/videoArquivo?codSessao=57500

公聴会における質疑応答:

セーザー議員は、日本からの投資動向、特に日本政府のマピトバ地域への投資意欲について質問した。また、ZPEに関して、北東地域は、国全体の人口28%に対しGDP比は14%と少なく一人当たりGDPも少ない事実があり、サンパウロ周辺にZPEが設立されることは、所得格差が開くことを意味するのでは疑問を投げかけた。そのほか、ブラジル電力のコスト高への対策、ICMS税収に依存する州が多くある中でどうICMS税の改革はどうするのか等の質問を行なった。ICMS税ST制度のカマラの改善提案について賛同、第二次世界大戦から経済復興した日本経済から見習うことは多く、日本人と公聴会を開催できることを嬉しく思うと結んだ。

次に発言したビトル議員は、日本からの技術移転、常に品質を求めていく日本人哲学や文化は尊敬に値し、その日本が見て、国土の広さや農業開発の可能性などがあるブラジルが、ポテンシャルのある国だということを嬉しく思うとコメントした。日伯交流を深めることはウィン・ウィンの関係を構築することを意味し、カマラのAGIR活動が投資に繋がることを認識できたので、支援していくよう他議員にも協力を呼びかけた。

村田会頭は、日本からの投資に関して、2011年には企業買収による大型投資がありその年だけ突出しているがそれ以外の年は平均して投資が行なわれていると回答した。ZPEと北東地域の経済開発については、地域格差への懸念はあるので今後も議論を重ねるべきだとした上で、自動車部品産業の観点から、労働者の質、技術力、裾野産業の集約率など総合分析するとサンパウロ付近でのZPE設置が、日系企業には魅力的であると伝えた。最後に、本日の公聴会は、AGIR活動を発展させるための貴重な第一歩となり、民間の提言を聞く場を作ってくれた委員会や議員へ感謝の意を述べた。

平田事務局長は、2011年の投資の増加は、2008年のリーマンショックの後、2010年のブラジルのGDP成長率が7.5%に達したこともあり、日本企業はブラジルの奇跡が再来したと判断したことも影響していると補足説明をした。また、2011年の75億ドルの投資の中には、キリンが3千億円を投じてスキンカリオール社を買収した投資額も含まれ、その後2012年~2014年までは平均して約30億ドルの投資となっていると語った。そして、ブラジルの構造改革が行われれば、日本企業はもっとブラジルに投資をするとしたうえで、改革を訴えた。また、ZPEに関しては、アクレ州やセアラ州で成功している事例もあるとしたうえで、ブラジルの産業の生産性向上や競争力強化には、新技術の導入が必要で、高い技術力のある日本の中小企業がブラジルに進出には、インフラ整備されているサンパウロ地域にもZPEを設置することが大切であると述べた。

星野公使からは、マピトバ地域開発については、昨年2月の日伯農業食料対話において二国間で覚書が締結されるなど、日本政府と日系民間企業は投資意欲があると応えた。また投資実現に向けては、ブラジル政府の明確な戦略やビジョン、具体的な開発事業計画、つまりどう投資を進めていくべきかなど、今後も議論を重ねながら投資判断をしていくことになると訴えた。

次に松永委員長は、北東地域との格差を縮ることは重要であり、北東地域の投資機会は多いと主張した。ただし積極的な投資のボトルネックとなっているのは、貧弱なインフラである。その改善のためブラジル政府はPIL(インフラ投資計画)を発表したが、ほとんど実現されていないとした。インフラ整備を行い輸送コスト等の改善が計られることで、北東地域への投資促進と経済発展に繋がると思われ、インフラ投資計画を確実に進めることを提案した。また、電力コスト高に関しては、水力発電に頼っているエネルギーミックスを改善することが必要であると返答、ブラジル政府が力をいれている風力発電や太陽光発電などを導入していくこともエネルギーミックスの多様化にも繋がるとした説明した。

日本側の回答を聞いた後、セーザー議員は、ブラジル鉄道網が米国と比較しても極端に少いのは、投資額が高いこともあると述べ、ブラジル政府は港の民営化などの制度改善を通じて、投資増加を図っているとした。また、北東地域で多くの風力発電事業が進められており、もっと積極的に開発事業に努めていくと述べ、政府の社会福祉コスト負担が多いが、インフラ投資の重要さを改めて認識したと、日本側の回答に感謝を述べた。

ビトル議員は、AGIR活動を一緒に進めていくことで、ブラジルコスト改善や産業競争力強化に繋がるかを再認識したとコメントし、AGIR活動を進展させる具体的な行動計画を作成することを提案した。5つのWGの会合に国会議員が参加することや各省庁と会合に参加するなど、具体的なアジェンダを作るべきだと訴えた。ブラジル政府への政策提言の打ち込みは簡単ではなく、テレコムに関連した提言だけで2500もの改定法案がある中、AGIR活動を進めていくのもそう簡単ではないとした上で、日本側と一緒に活動し、お互いに助け合うことで法案が進みやすくなることもあるとし、他議員もAGIR活動を一緒に進めるべきだと訴えた。

閉会挨拶でオリベイラ委員長は、今日の公聴会は、活発な議論が行なわれ、日伯の更なる協調がはかられた有意義な公聴会だったとし、今後もこの委員会として日本側の活動を全面的に支援し、カマラとも友好な関係を築いていくと結んだ。村田会頭は、我々の課題は5つのWGの中につめられており、WGリーダーと国会議員を交えた議論に進展することを願った。この公聴会は、どの政府機関と政策対話を行なえば良いかという疑問を解き、日伯経済関係の未来に向けた第一歩になったと主張した。星野公使は、カマラの提言はブラジル経済の発展に寄与するとし、提言の中には法改正を伴うなど解決の難しい課題も含まれているが、公聴会の場で提言できたことは政策対話活動を一歩前進したことになると本日の公聴会を評価し、今後もっと内容の濃い議論に発展していくことへの期待を示した。松永委員長は、ビトル議員がAGIR活動の具体的な活動計画を作成する提案したことを歓迎、今後AGIR活動への国会議員の参加が実現することで、制度改善がはかられ、日伯経済関係の発展に繋がっていくと締めくくった。

参加議員(所属政党/選出州)

ラエルシオ・オリベイラ下院議員 経済産業商業開発委員会委員長 (SD/SE)

ルイス・ニシモリ下院議員  伯日議員連盟 (PR/PR)

ジュリオ・セザール下院議員  前経済産業商業開発委員会委員長 (PSD/PI)

ビトル・リピ下院議員 元ソロカバ市長 (PSDB/SP)

タカヤマ下院議員  (PSC/PR)

ルカス・ベルジリオ下院議員  (SD/GO)

マウロ・ぺレイラ下院議員  (PMDB/RS)

グラート下院議員 (PSD/SP)

エルクラノ・パソス下院議員 (PSD/SP)

エバンドロ・ロマン下院議員 (PSD/PR)

リンコン・ポルテラ下院議員 (PRB/MG)

ハケル・ムニス下院議員 (PSD/MG)

民間部門参加者(所属団体・企業名)

ラファエル・キエクブッシュ産業政策スペシャリスト(CNIブラジル工業連盟)

河野賢二氏(ケンブリッジ・コンサルタント)



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