貿易部会(今井 重利部会長)は、2016年8月9日午後2時から19人が参加して、8月25日午後にインターコンチネンタルホテルで開催されるテーマ:「2016 年上期の回顧と下期の展望」副題:『どん底の時期ならではの戦略は?-課題整理と対処方策-』の2016年下期の業種別部会長シンポジウムの発表資料作成のためにドラフト資料を基に意見交換を行った。
今年上半期の回顧では国内経済リセッションやドル高の為替の影響による輸入金額の大幅な減少による貿易収支黒字の拡大、輸出量は大豆並びに大豆粕、鉄鉱石とも増加した一方で、国際コモディティ価格の大幅減少、紙・ パルプ輸出量は増加、自動車は数量・金額とも大幅増加、対内直接投資14%減少、輸出相手国は中国が1位、米国2位、アルゼンチンは3位、 日本は5位、地域別にバランスのとれた輸出先となっていることを今井部会長が説明した。
また輸入ではレアル通貨に対するドル高為替の影響も牽引して付加価値の高い完成品の自動車・部品が大幅に減少、輸出量は軒並み増加、輸入金額では一次産品並びに半完成品、完成品がすべて減少、輸入相手国では中国が前年に続いてトップ、日本は8位に下げ、対日輸出では鉄鉱石並びにアルミが大幅に減少したがトウモロコシは900%以上増加、日本からの輸入金額では軒並み減少、対内直接投資は非鉄金属や自動車が倍以上増加、日本の対内直接投資は約9億ドルを割り込み、中国は英領ヴァージン諸島などの第三国経由の対内直接投資で詳細は不明、また今年の貿易収支黒字は大幅な増加が予想されているが、貿易黒字は輸入減少による黒字で経済リセッションを反映、大手石油会社ペトロブラスの汚職問題で大手ゼネコン幹部の相次ぐ逮捕によるインフレ整備部門の投資中止の影響、インフレ率の上昇による政策誘導金利(Selic)の高止まり、ジウマ大統領の停職並びに弾劾プロセスの行方、地方統一選挙、年金改革をはじめとした構造改革実施など多くの問題を抱えているが、ポテンシャルのあるブラジルの早急な再生が待たれている。
参加者は今井部会長(伊藤忠)、寺本副部会長(ブラジル住友商事)、辻副部会長(ジェトロ)、新保氏(島津製作所)、奥川氏(伊藤忠)、吉田氏(丸紅)、粟屋氏(双日)、 土屋氏(三井物産)、高橋氏(JFE SHOJI)、小湊氏(KBKブラジル)、佐藤氏(ブラナガセ)、吉田氏(NYK LINE)、平池氏(東レ)、松原氏(伯国三菱商事)、蛭子領事(サンパウロ総領事館)、 平田事務局長、天谷アドバイザー、吉田調査員、大角編集担当