今年初めての貿易部会(伊吹 洋二部会長)のメディカル分科会(藤田誠分科会長)が2014年1月15日午後4時から5時30分まで22人が参加して開催、初めに藤田誠分科会長は、「国家衛生監督庁(Anvisa)許認可改善の取り組みの進捗状況」について、2013年10月25日にブラジリアで開催された第1回日伯貿易促進産業協力合同委員会のフィードバックとして以下の説明を行った。医療機器の承認審査の迅速化については当ブラジル日本商工会議所のメディカル分科会の要望の根底にあるのは、「ブラジルに貢献したい、ブラジル国民の健康に貢献したい」と いう日本の医療関係者や企業の気持ちであることをご理解頂きたい。背景には日本の「高度」で「高品質」な医療機器製品を少しでも早くブラジル国民のために 使っていただけるようにしたいという狙いがある。
ANVISAの承認手続きの迅速化の課題と考えている点、具体的には以下の2点に集約 され、1)ブラジル国外工場のGMP査察に申請から承認まで約2~3年の時間がかかる 。(GMP とは、BPF (Boas Praticas de Fabricacao)を指し、適正製造基準、医薬品製造管理および品質管理基準の事)2)同じく、医療機器製品の薬事登録の申請から承認まで約1年を費 やしている。GMP査察について日本企業から8例のサンプルを基に、申請から査察開始まで平均590日、申請から承認まで775日、長いものは931日掛 かっていると実例を発表。
最新の高品質な医療機器によるブラジルの医療体制の向上に向けて、ANVISAの承認手続きの改善策や解決策をブラジルサイドと一緒に協議していきたいと提言。日本サイドでは、既にブラジル日本商工会議所の中にメディカル分科会を設置、また大使館・総領事館・ジェトロ(日本貿易振興機構)と共に厚労省・日本の業界団体である日本医療機器産業連合会と連携をとりながら、ブラジルサイドと協議して行きたいことなどについて発表したことを説明した。
平田藤義事務局長は、「ブラジル日本商工会議所の機能強化」について、1月の常任理事会に諮るための委員会の新設、活動、予算の統括・管理、キックオフ成功事例のメディカル分科会等の部会内のテーマ別対応の分科会の設置、ビジネス障害要因について新たなアンケート調査による分科会の設置等について会議所活動活性化のため積極的に意見やコメントを述べてほしいと強調、また交益団体としての使命と政府への提言並びに中小企業進出支援や進出企業の増加などについて説明した。
坪井俊宣領事は、「日伯における官民の連携及び次のアクション」について、日本の医療機器を日本の医療サービスと一体として、海外へ積極的に紹介する事業等は経済産業省が積極的に推進しており、また厚生労働省もANVISA問題を認識しており、官民一体となってコミュニケーションをとっていることやメディカル分科会設置の重要性を説明、藤田誠分科会長はメディカル分科会の目的として、「ブラジル国民の健康への貢献」であり、医療関連企業がブラジルでビジネスを展開する上で困っている点を取り上げ、会議所の組織として日本政府・ジェトロと共に問題解決に向けた活動を行うと説明、特別参加の日本光電経営企画室 兼 営業本部 中央営業部の岩崎保夫部長は一般社団法人 日本医療機器産業連合会(略称:医機連、英文名:The Japan Federation of Medical Devices Associations)は、医療機器、器材や用品等の開発、生産、流通に関わる団体等によって構成され、医療機器産業界の総意を形成し、これを社会に発信すると共に、産業界内部に対してもあるべき方向を示す役割を負う連合会であり、組織、加盟企業数、医機連の国内外の活動などについて説明した。
参加者は伊吹部会長(丸紅ブラジル)、藤田分科会長(テルモ)、栗田副分科会長(日本光電)、加藤副分科会長(島津製作所)、荻原氏(味の素)、藤井氏(戸田建設)、松下氏(フジフイルム)、友納氏(フジフイルム)、吉田氏(KISCO DO BRASIL)、神原氏(コニカ ミノルタ)、田渕氏(クラシキ)、岩崎氏(日本光電)、福田氏(オムロン ヘルスケア ブラジル)、浅井氏(三井物産)、横内氏(テルモ)、河田氏(東レ)、安井氏(東レ)、海原氏(住友コーポレーション)、栗原氏(ジェトロ)、坪井領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長、大角編集長
左から伊吹部会長(丸紅ブラジル)/、栗田副分科会長(日本光電)/加藤副分科会長(島津製作所)/藤田分科会長(テルモ)
Fotos: Rubens Ito / CCIJB