貿易部会(伊吹洋二部会長)の第1回メディカル分科会は、2013年10月3日午後4時から5時30分まで17人が参加して開催、藤田誠氏(テルモ)が進行役を務め、初めに平田藤義事務局長が開催挨拶として、メディカル分科会設立で漸く日の目を見ることができたが、2010年2月に多くの進出企業が国家衛生監督庁(ANVISA)問題に直面していると相談を受け、日本ブラジル経済合同委員会などで問題提議する話もあったにも関わらず、提議方法を慎重に進める必要があったが、その後3年目に漸くメディカル分科会設立ができ、一緒にアクションを取って協力していきたいと力強く述べた。
坪井俊宣領事は、ANVISAは少ない人数で大きな仕事をしているにも関わらず、ANVISA問題はビジネス環境改善のために必須条件であり、今までは各社がそれぞれ対応に追われていたが、日本の技術を生かして、医療現場のニーズにこたえる医療機器の開発・実証を推進、開発した機器の商品化と国際展開を推進するため、医療機器と技術が一体となった海外展開を推進する目的で、経済産業省では、「ヘルスケア産業の創出」プログラムを発表して、日本の医療機器業界をサポートしているために、組織として日本政府もバックアップすると説明、ジェトロの井上徹哉次長は、両国政府との交渉で問題が低減できれば日本の医療機器のブラジル国内での普及や医療分野への貢献のためのイベントやセミナーの開催を予定しており、またメディカル分科会に参加してできる限りの情報収集をしたいと述べた。
今年の分科会長に藤田誠氏、副分科会長に栗田秀一氏(日本光電)、加藤彰彦氏(島津製作所)が選ばれ、栗田秀一副分科会長は、ANVISAの認証登録の迅速化などの改善のために、組織として一体となって頑張っていきたいと述べ、加藤彰彦副分科会長は、ANVISAの監査・更新問題など今後は団体として有効に機能していくように努力すると述べ、藤田誠分科会長は、ブラジルは医療規制が厳しく、一社で解決するのは難しいが、商工会議所の組織として、また日本政府並びに大使館、総領事館、ジェトロと一緒に活動して、メキシコにおける薬事同等性認定に漕ぎ着けた経験を生かしたいと述べた後で、参加者が自己紹介を行い、それぞれANVISA問題の経験談を報告した。
藤田誠分科会長は、メディカル分科会の目的は医療関連企業がブラジルでビジネスを展開する上で困っている点を取り上げ、商工会議所の組織として日本政府・JETROと共に問題解決に向けた活動を行い、ブラジル国民の健康への貢献であると説明、また海外に拠点を持つ日系企業及び関係府省との協力のした、 官民一体となった交流を促進、 具体的には日本発の高品質の医薬品・医療機器等の輸出を拡大することを念頭に、日本の規制・基準等の理解度向上に向けて、新興国や途上国を中心とした国・地域の規制などについて対話を通じて、日本の承認許可制度の理解を促して、国レベルでの信頼関係の構築・強化を図ると説明、岸田外務大臣は9月初めにブラジルのフィゲイレド外相と会談、経済の成長戦略の柱の1つとして位置づけている医療機器や医薬品の販売拡大に向けて、ブラジル側の承認手続きを迅速化するための協議機関の設置を求めたのに対して、フィゲイレド外相は「よい提案であり、検討したい」と述べたのは、メディカル分科会設置にとって、非常に良いタイミングであったと説明した。
平田藤義事務局長は、2010年4月に元社会保障大臣で当時の医薬品研究開発協会のアントニオ・ブリット会長が商工会議所でセミナーを行ったことがあり、我々はブラジルの関連業界とパイプ作りをして、一緒にタイアップして進めていくことも提案した。
小回りの効く小単位のワーキンググループの活動の提案に対して、数社がグループ活動への参加を表明、また坪井領事は、参加者に対してANVISA問題で事例を上げて発表してほしいと述べ、10月25日にブラジリアで開催される第1回日伯貿易促進産業協力合同委員会での議題への提案やANVISAを日本に招聘する試み、また日本の技術や取組の紹介する定期会合の設置などの「相互の理解を促進」する提案についても意見交換され、最後に栗田秀一副分科会長は、一本締めでメディカル分科会の団結とビジネス環境の改善を誓い、メディカル分科会は大成功裏に終了した。
参加者は藤田分科会長(テルモ)、栗田副分科会長(日本光電)、加藤副分科会長(島津製作所)、荻原氏(味の素)、藤井氏(戸田建設)、松下氏(フジフイルム)、田渕氏(クラシキ)、浅井氏(三井物産)、辻氏(ナガセ)、平野氏(テルモ)、横内氏(テルモ)、河田(東レ)、塚本氏(247 inteligencia Digital)、井上氏(ジェトロ)、栗原氏(ジェトロ)、坪井領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長
左から栗田秀一副分科会長/加藤彰彦副分科会長/藤田誠分科会長
参加者全員で記念撮影
Fotos: Rubens Ito/CCIJB