金融部会(山崎 展生部会長)は、2013年8月6日午後4時から5時30分まで50人以上が参加して金融セミナーを開催、講師にブラジル三菱東京UFJ銀行の川原 一浩取締役を迎えて、テーマ『ブラジル為替・金利見通し ~乱高下! ドル・レアル・円 三つ巴のパズルを紐解く~』と題して、川原 一浩取締役は、初めに最近の米ドル・円・レアル相場の動向、円安のポイントとして日本の貿易赤字並びに金融緩和、投機筋の円ショート、要人の円安容認発言、レアル安のポイントとしてブラジルの第1四半期のGDP下振れ並びに貿易収支の悪化、格付け会社による格下げ方向での見直し、ジウマ大統領支持率の悪化、米国の金融緩和政策解除の思惑などについて説明した。
2013年初めの予想からの変化として、下方修正が続くGDP伸び率並びに継続するインフレ圧力による政策誘導金利(Selic)の連続した引上げ、インフレ率上昇による堅調であった個人消費の翳り、勢いが鈍化する労働市場、余剰在庫の増加、全国的に拡大している抗議デモによる消費者信頼感の悪化並びにデモによる小売部門への影響、インフレ対策を主眼に利上げに転じたSelic金利の年末予想は9.00%、来年は9.75%前後予想、経常収支赤字をカバーできない対内直接投資などについて説明した。
2012年以降の中銀による為替介入状況、外為市場における規制の推移、高まる財政懸念並びに下がる大統領支持率、今年の財政プライマリー収支黒字をGDP3.1%から2.3%に下方修正するも達成を疑問視、抗議デモに対してジウマ大統領は規律ある財政並びに公共交通への支出、原油権益の教育部門への投資、外国人医師の受け入れ、政治改革への取り組みを約束、国際収支と円相場の関係、31年ぶりに赤字に転落した日本の貿易収支、大幅な円安で対外資産価格の高騰、引き続き好調な対外直接投資、日銀の量的・質的金融緩和の導入、日銀の狙いとして長期金利や資産価格のリスクプレミアムへの働きかけ、ポートフォーリオバランス効果、市場、経済主体の期待の抜本的な転換、日本の消費者物価指数の前年比プラス2.0%の壁、日米金利差とドル円の関係、米国FOMCによる米国経済の見通しレアルドルの予想レンジと今後のポイント、ドル円の予想レンジと今後のポイントなどについて説明、分かりやすい講演会に対して、参加者から講師の川原 一浩取締役に大きな拍手が送られ、山崎部会長は配布したアンケートへの回答並びに懇親会への参加を促した。
講師のブラジル三菱東京UFJ銀行の川原 一浩取締役
左から講師のブラジル三菱東京UFJ銀行の川原 一浩取締役/山崎 展生部会長
会場一杯の参加者
熱心にメモを取る参加者