1908年の移民開始から約半世紀を経て、1950年代の第1次進出ブームの波に乗り日本から繊維産業を中心に企業 進出がにわかに本格化、当会議所会員企業の中には創業50周年を超える企業も増えつつあります。ブラジル政府から正式に認知され公共な独立団体として活動 して以来、ブラジル日本商工会議所は今年丁度70年の節目を迎えます。
言語や文化、風俗・習慣の違うブラジルに日本から進出(移住)を果たした多くの会員企業は1970年代初期、第2次 進出ブームに沸いた黄金時代を経験した反面、天文学的ハイパーインフレに見舞われ長期に及ぶ経済混乱にも遭遇しましたが、現在では経営基盤がしっかりと定 着し業容の拡大も出来る企業が増えるようになりました。これは偏にコロニア社会のご協力の賜であり、この紙面をお借りしてあらためてお礼を申し上げます。
近年の日伯の関係には大きな変化が見られ日本からの投資の拡大が顕著に増えております。
去る5月、日本経団連とブラジル工業連盟が主催した日伯経済合同委員会での経産省の発表によりますと今年3月までの 過去半年間の日本から中国への投資額が2千100億円に対しブラジルへの直接投資額は約1千500億円と、ブラジルに対する関心度が極めて高くなっている 事で証明できます。
昨年2月から日伯貿易投資促進合同委員会がスタート、両国政府の関係省庁の事務次官レベル協議の場に経団連や会議所 も加わり、両国の互恵的経済関係強化のため活発に議論を展開してきた効果の表れと受け止めております。政・官・民が三位一体となって進めて参りました地上 デジタルTVの日伯方式の当地への導入に続き、中南米に限らずアフリカ諸国への普及に向け協力している他、次の目標である新幹線導入にも同じスキーム下で 果敢に進めております。
ブラジルは各種天然資源の宝庫、バイオ燃料、石油・ガスの深海油田開発など日本の先端技術の移転を通じ協力できる分 野は非常に多く又IT、航空機、バイオテクノロジーをはじめ環境関連技術、太陽光、風力などの再生可能エネルギー、数えたら限が無いほど沢山あります。
2014年のワールドカップ、また16年のオリンピックに向け、都市交通、高速鉄道、道路、住宅、公共施設、倉庫や 港湾および情報通信、電力等は喫緊のインフラ整備の投資対象になっています。
このようにブラジルへの投資の拡大が進む中、技術移転の分野では特に日系コロニア社会がその立役者となり親日的なブ ラジルと戦略的なパートナーシップを構築、互恵的経済関係強化を通じ日系社会の活性化にも寄与できるものと信じ又ブラジル国への恩返しにもなると認識して おります。2008年の移民100周年は又次の100年を見据えた日伯交流年の幕開けでもありました。当会議所が永遠のテーマとする日伯経済交流促進に向 けて全力で取り組む所存ですが、今まで通りご協力の程宜しくお願い申し上げます。
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