欧米を中心に先進諸国の今後数年間に亘って景気減速が明確になってきているにも関わらず、新興国のインフラ整備拡大で今後20年間に亘って、銅の需要が供給を上回ると予想されている。
CRUインターナショナル社の予想によると2017年から銅の需要が供給を大幅に上回るために、コモディティ価格は高値を維持すると予想、2011年から2014年にかけて銅需要は年平均4.9%増加が見込まれている。
今年の銅の供給量は需要を20万トン下回り、来年は25万トン不足、2013年は銅鉱山の開発開始で需要を満たすが、2014年から再び不足すると予想されている。
昨年の銅のコモディティ価格は前年比40%高騰したにも関わらず、供給不足となっており、リオ・チント社の銅生産は前年比16%、アングロ・アメリカン社は7.0%とそれぞれ減少、ヴァーレが辛うじて4.4%の増産、しかし銅鉱石の含有量が減少してきている。
ヴァーレの国内最大の銅鉱石開発はパラー州Sossego鉱山で2004年から開発を開始、カナダやチリでも生産を行っており、今年は33万トン、2015年には100万トンの生産を予定している。
世界的な銅需要でヴァーレ社はコンゴ共和国のMetorex社の銅鉱山並びにコバルト鉱山買収を試みたが、資源確保では資金に糸目をつけない中国資本Jinchuan社が落札、世界の銅生産の40%はチリ並びにペルーとなっている。
ヴァーレ社はブラジル国内では年間52万トンの生産能力を擁するSalobo鉱山の操業を今年下半期に予定していたにも関わらず、鉱山開発用機械・装置の納入遅れで来年の操業開始となる。
またヴァーレはリオ・チント社と共同でモンゴルのOyu Tolgoi鉱山の操業を2012年8月から開始、年産45万トンの生産を予定、銅生産トップはFreeport McMoRan Copper&Gold社の177万トン、次いで Codelco社は176万トン BHP Billiton社111万トン Xstrata社91万トン Grupo Mexico社は69万トンで5位となっている。 (2011年12月6日付けヴァロール紙)