ヨーロッパ連合国(EU)の域内にほとんど天然資源が存在しないために、資源大国のブラジル、中国、ロシアや南アメリカから輸入しているが、中国のレアアース輸出制限などで自動車、通信機器などの生産に打撃を受ける可能性があるために、資源外交を活性化させて資源確保を進める。
ヨーロッパ連合の経済は14種類の鉱物資源供給に左右されており、ニオブの84%、鉄鉱石の51%はブラジルからの輸入に依存、またマンガン鉱39%、タンタル16%、アルミ、ボーキサイト並びにマグネシウムはそれぞれ11%とブラジルから輸入している。
中国は経済成長に従って資源確保にアフリカをはじめ世界中で資源外交や投資を展開、過去10年間で中国の銅鉱石の消費は世界の12%から40%に跳ね上がっており、欧米や日本も資源確保を余儀なくされている。
また世界のレアアース埋蔵量の97%を占めている中国では自国内の消費を優先して輸出を制限しているために、コモディティ価格が急上昇している。
天然資源が特定の国に偏って今後の供給リスクを抱えているのはカナダのコバルト、ロシア並びに南アメリカのプラチナ、コンゴのコバルト並びにタンタル、中国のレアアース、ベリリウム、蛍石、ガリウム、タングステンなどとなっている。(2011年6月7日付けヴァロール紙)