今年1月25日にヴァーレ社ミナス州都ベロ・オリゾンテ市近郊のブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故が発生、死者並びに行方不明者が300人以上に達している。ヴァーレ社の鉱滓用ダムの保全問題がクローズアップされていた。
更に2月初めのミナス州最大の鉄鉱石生産を誇るブルクツ鉱山のラランジェイラス鉱滓用ダムの操業許可停止などが相次いで、保全対策が等閑にされている鉱滓用ダムの不良が相次いで発覚して社会問題になっている。
昨日ヴァーレ社では、ミナス州内の数カ所の鉄鉱石鉱山の鉱滓用ダムの決壊事故発生の可能性があるために、今年の鉄鉱石生産は昨年を7,500万トン下回る生産変更を発表した。
年初のヴァーレ社の今年の鉄鉱石販売は3億8,200万トン、鉄鉱石生産は4億トンがそれぞれ見込まれていたが、今年の鉄鉱石生産は、3億700万トン~3億3,200万トンに下方修正されている。
昨日の1トン当たりの鉄鉱石の中国港湾での引き渡し価格は0.5%減少の84.68ドルであったが、ヴァーレ社の生産減少に伴って100ドルに達する可能性を投資銀行では否定していない。
ヴァーレ社は連邦裁判所から被害者への損害賠償や環境改善などの対応として、165億5,000万レアルの資金凍結を言い渡されている。昨年のヴァーレ社の名目負債総額は154億ドル、実質負債総額は96億ドルであった。
ミナス州最大の鉄鉱石生産を誇るブルクツ鉱山のラランジェイラス鉱滓用ダムの決壊可能性で操業停止を余儀なくされているが、操業が再開すれば年間3,000万トンの生産が可能となる。
またミナス州内のチンボペーバ鉱山の年間鉄鉱石生産能力は1,300万トン、アレグリア鉱山の年間鉄鉱石生産能力は1,000万トンにも拘らず、鉱滓用ダムの能力検査中、年間生産能力が4,000万トンの国内製鉄所向けのヴァージェン・グランデ・エ・ファブリア鉱山は、国家鉱物エージェンシー(ANM)から操業停止を命じられている。(2019年3月29日付けヴァロール紙)