国内のセメント需要は過去4年間連続で前年割れを記録していたにも関わらず、新大統領の就任に伴って雇用創出が大きなインフラ整備部門への投資拡大で、2019年の国内のセメント消費は、前年比3.0%~3.5%増加を全国セメント工業組合(SNIC)のパウロ・カミーロ・ペーナ会長は予想している。
ペーナ会長は、新政権によるインフラ整備部門への投資拡大以外にも大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”向けクレジット拡大や更なる低所得層への購入拡大に期待している。
今年初めの今年のセメント消費は、前年比1.0%~1.5%増加の5,330万トンを予想していた。しかし5月下旬から11日間継続した全国規模のトラック運転手の国道封鎖抗議デモの影響で90万トン減少並びに7月からの景気回復低迷で、前年比2.0%前後減少すると予想されている。
セメント輸送の96%がトラック輸送のために、5月下旬から11日間継続した全国規模のトラック運転手の国道封鎖抗議デモの影響は、5月のセメント販売の20%減少に繋がった。
年間のセメント生産能力は1億トンに達しているにも関わらず、設備稼働率は48%に留まっている。また過去4年間のセメント販売は、経済リセッションが尾を引いて26%も減少している。
今年初めの今年のセメント生産は、前年比1.0%~2.0%増加の5,360万トンが予想されていたにも関わらず、トラック輸送費値上げ並びにコークス価格上昇の影響で、前年比ではマイナス2.0%前後に落ち込むとSNICのパウロ・カミーロ・ペーナ会長は否定していない。
セメントの販売価格の28%は輸送費が占め、また石油コークスも35%を占めており、米国から輸入している石油コークス価格は、過去2年半で200%も上昇している。
2005年~2014年の10年間でブラジル国内のセメント消費は、約2倍に相当する7,200万トンに達した。現在ブラジル国内には100カ所のセメント生産工場を擁しているものの20カ所は操業停止、80カ所のセメント工場は、低稼働率で操業を余儀なくされている。
今年初め8か月間のセメントの国内販売は前年同期比2.2%減少の3,952万トン、今年9月のセメント販売は前年同月比5.6%減少の460万トン、今年10月の過去12カ月間のセメント販売は、2.9%減少の5,240万トンとなっている。(2018年10月11日付けヴァロール紙)