昨年から鉄鉱石を中心に国際コモディティ価格回復並びに積極的な生産コストカット、負債削減に伴って、資源大手各社の収益が改善しており、2017年は中国の経済回復に伴って順調に回復すると予想している。
鉄鉱石生産大手のブラジル資本ヴァーレ社並びにオーストラリア資本リオ・チント社、BHP Billiton社、Fortescue Metals社、英国資本アングロ・アメリカン、スイス資本グレンコア社の昨年の純益総額は70億8,000万ドルの黒字を計上して、2015年の313億ドルの赤字から黒字に転じている。
2016年の資源大手6社の売上は、鉄鉱石の国際コモディティ価格上昇などに伴って前年比2.1%増加の2,766億1,000万ドルを計上、Ebitdaは17%増加の589億1,000万ドルを記録している。
また2016年の資源大手6社の純負債総額は前年比19.2%減少の887億7,000万ドルまで減少、Ebitdaに対する負債比率(ドル換算)は2.2倍から1.5倍に減少している。
2016年の資源大手6社の投資総額は中国の経済停滞などの要因で、世界的な鉱物需要並びにコモディティ価格減少に伴って前年比34.9%減少の213億ドルに留まったが、2017年も昨年並みの220億ドルに留まると予想されている。
中国の経済成長率が順調に推移して鉄鉱石をはじめ旺盛な需要を続けていた2014年の資源大手6社の売上は3,917億6,000万ドル、Ebitdaは843億5,000万ドル、純益総額は183億2,000万ドル、負債総額は1,129億6,000万ドル、Ebitdaに対する負債比率1.3倍であった。
2016年の鉄鉱石のコモディティ価格は前年比81.0%増加、今年の1トン当たりの鉄鉱石価格はすでに10.5%増加の87.19ドルまで上昇、今年3月8日までの平均価格は85ドルで推移している。
しかし今年末の1トン当たりの鉄鉱石のコモディティ価格は、下半期からの価格減少予想で55ドル~60ドルまで下がると予想、含有量62%の高品質の1トン当たりの鉄鉱石価格は62ドルが予想されている。(2017年3月9日付けヴァロール紙)