ブラジル国内の経済リセッション並びにラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題による公共事業のインフラ整備プロジェクト中止や先送り、住宅ブームの終焉などの影響を受けて、ブラジル国内のセメント業界は減産に追い込まれて死活問題に発展している。
国内セメント業界が停滞しているにも関わらず、中長期的に北部地域並びに中西部地域でのセメント需要拡大を見通して、Votorantimグループは8億6,000万レアルを投資して、パラー州プリマヴェーラに生産能力が年間120万トンのセメント工場を建設、操業開始した。
昨年のブラジルのセメント販売は前年比10%減少、今年初め5か月間のセメント販売は前年同期比13.9%減少の2,320万トンに留まっており、今年のセメント販売は前年比15%減少が予想されている。
パラー州のインフラ整備セクター並びに建設・不動産セクターは、公共事業の中止の影響で停滞しているにも関わらず、パラー州に隣接するアマパ州では消費するセメントの大半を輸入に依存しているために、北部地域の潜在的なセメント需要は、掘り起こせる可能性があるとVotorantimのヴァルテル・ディシンジェール会長は説明している。
Votorantimセメントでは、ブラジル以外にも米国並びにモロッコ、トルコ、ボリヴィアでのセメント事業拡大を推進している一方で、今後18か月間はブラジルでの増産は予定していない。
Votorantimセメントは、米国の5大湖周辺地域並びにフロリダ州でのセメント需要拡大を見込んでおり、昨年の同地域のセメント需要は二桁台の成長を記録、またモロッコ並びにトルコでもセメント増産を検討している。(2016年6月24日付けエスタード紙)