連邦警察のペトロブラス石油公社関連ラヴァ・ジャット作戦汚職問題による公共事業プロジェクト停止や新規インフラ事業取消などの影響、またジウマ・ロウセフ大統領罷免問題で硬直状態となっている政治問題などの影響で、国内のセメント消費が壊滅的な打撃を受けている。
全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、第1四半期の国内のセメント販売は前年同期比14.7%下落の1390万トンに留まっており、今年のセメント販売を年初予想の9.0%~11.0%減少から12%~15%減少と大幅な下方修正を余儀なくされている。
3月のセメントの国内販売は前年同月比16.1%減少の490万トン、前月比6.8%減少、過去12か月間では10.9%減少の6,230万トンと2014年中頃から減少傾向が顕著になってきている。
建設業界の活動バロメーターのセメント販売はラヴァ・ジャット作戦汚職問題や政治危機で休業状態となっており、セメントの国内販売の回復は2017年以降にずれ込むと全国セメント工業組合(SNIC)のジョゼ・オタヴィオ・デ・カルバーリョ理事は予想している。
1979年のイラン革命の混乱によって、産油国イランの原油生産が激減したために起こった原油不足による価格上昇の第2次オイルショック後の1984年にはセメントの国内販売が1,900万トンまで減少、しかし2003年以降は順調に販売が増加していたが、2015年は前年比9.5%減少の6,490万トンまで減少していた。(2016年4月13日付けヴァロール紙)