2015年11月5日に発生したミナス・ジェライス州のサマルコ社鉱山廃水用ダムの決壊事故は過去最悪規模の人身事故となり、有毒物質を含んだ濁流によるドーセ川流域一帯の環境破壊、漁業および農業への壊滅的被害が発生している影響で、すでに申請済みの鉱山開発向け環境ライセンス認可が大幅に遅れて鉄鉱石生産スケジュール調整を余儀なくされている。
資源大手ヴァーレ社のミナス州ブルクツ鉱山は、パラー州カラジャス鉱山に次ぐブラジル国内の鉄鉱石埋蔵量を誇るが、サン・ゴンサロ・ド・リオ・バイショ郡内の鉱山廃水用北部ダム建設の環境ライセンスの認可が遅れれば鉄鉱石の生産開始計画に遅れが生じる。
ミナス州内では鉄鉱石や非鉄金属開発向け88プロジェクトで環境ライセンスの認可を待っているが、今後3年間に環境ライセンス認可が下りなければ現在の年間2億トンの鉱物生産は1億トンに半減すると予想されている。
ヴァーレ社がミナス州内に所有する鉄鉱石鉱山で最大の埋蔵量を誇るブルクツ鉱山の環境ライセンスの認可が下りなければミナス州のGDP1.3%減少につながる。
ブラジル地理統計院(IBGE)の統計によると、2013年のミナス州の鉱業部門のGDPに占める割合は同州全体の7.5%に相当して大きな割合を占めており、州内の20都市の財政は鉱山会社からの歳入に依存している。
早急な環境ライセンス認可を要しているのは、鉱山廃水用ダム建設MaravilhasI プロジェクト並びにMaravilhasIIプロジェクト、 Itabirçuプロジェクト、また鉱山廃水用ダムの整地向け環境ライセンス認可を要しているのは、 Cauêプロジェクト並びに Alegriaプロジェクトとなっている。(2016年3月17日付けエスタード紙)