資源大手ヴァーレ社が手掛けるパラー州カラジャス鉱山の1トン当たりの鉄鉱石の輸出港湾ターミナルでの生産コストは僅かに10.7ドルと世界最低のコストを記録している。
世界の鉄鉱石消費の大半を占める中国向け鉄鉱石輸出では、コンペティターの英・豪資本のリオ・ティント社の14.4ドルを大幅に下回っているが、中国と近距離にあるオーストラリア間の輸送費コストは大差をつけられている。
2008年~2014年にかけてリオ・ティント社並びにBHP Billiton社は鉄鉱石増産並びに生産コスト削減で、鉄鉱石メーカーの世界的な寡占化を進めており、ヴァーレ社との鉄鉱石輸出コスト縮小でしのぎをけずっている。
ヴァーレ社のカラジャス鉱山のS11Dプロジェクト並びに Serra Sulプロジェクトが生産開始すれば年間9,000万トンの増産につながり、S11Dプロジェクトは2016年下半期の生産開始が予定されている。
ブラジルパラー州から中国向け鉄鉱石の輸送日数は平均45日を要するが、オーストラリアからでは僅かに15日で輸送が可能であり、ヴァーレ社の輸出港湾の1トン当たりの鉄鉱石引渡し価格は37.1ドルに対して、リオ・ティント社は僅かに30.1ドルとなっている。
鉄鉱石の含有量が非常に高いカラジャス鉱山の1トン当たりの鉄鉱石価格は62ドルに対して、リオ・ティント社のPilbara鉱山の1トン当たりの鉄鉱石価格は53.3ドルとなっている。
ヴァーレ社の1トン当たりの鉄鉱石の輸出港湾ターミナルでの生産コストは10.7ドル、リオ・ティント社は14.4ドル、前記同様にロイヤリティは1.2ドル、3.6ドル、輸送代は16.7ドル、5.8ドル、オペレーションマージンは24.9ドル、23.2ドルとなっている。(2015年10月1日付けエスタード紙)