中国経済停滞の影響による鉄鉱石や農畜産などの国際コモディティ価格は、軒並み過去最低価格で推移して資源輸出国の貿易収支に大きな影響を与えており、資源大手ヴァーレ社の上半期の鉄鉱石輸出総額は前年同期比50%まで低下している。
中国の鉄鉱石の1トン当たりの鉄鉱石のスポット価格は50ドル前後で推移しており、今年の鉄鉱石価格はすでに30%減少、同社の今年第2四半期の鉄鉱石生産は前年同期比7.4%増加の8530万トンに達している。
同社の今年の鉄鉱石生産は、第2四半期の鉄鉱石生産が大幅に増加した影響で前年比2.4%増加の3億3200万トンが予想されており、年初目標の3億4000万トン達成は可能と予想されている。
今年上半期の鉄鉱石生産は1億6670万トン、この中には含有量の高い鉄鉱石を他社から前年同期比6.3%増加に相当する購入を行ったにも関わらず、税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示すEBITDAは20億ドルに達している。
ヴァーレ社は7月の含有量の低い鉄鉱石の生産を2,500万トン減産して含有量の豊富な鉄鉱石生産に切り替えて収益率アップを図るが、含有量の豊富な鉄鉱石の増産分はパラー州カラジャス鉱山による生産が決まっている。
ヴァーレ社の第2四半期のニッケル生産はカナダのサドバリー鉱山の火災事故にも関わらず、前年同期比8.7%増加の6万7100トン、今年上半期の生産は13万6000トン、今年のニッケル生産は目標の30万3000トンを10%下回る27万2000トンが予想されている。
また今年第2四半期の銅生産は前年同比30%増加の10万4900トン、今年の銅生産は目標の44万9000トンを下回る42万4000トン、今年第2四半期の石炭生産は9.0%減少の200万トン、今年の石炭生産は目標の800万トンを下回る740万トンがそれぞれ予想されている。(2015年7月24日付けヴァロール紙)