2014年12月末の鉄鉱石の国際コモディティ価格は1トン当たり67.90ドルと2013年末の134.20ドルから半減しており、シティバンクのアナリストのIvan Szpakowski氏は2015年から2016年の1トン当たりの鉄鉱石の価格は65ドル前後で推移すると予想している。
世界の鉄鉱石貿易の2/3を輸入する中国の鉄鉱石需要の減少並びに鉄鉱石生産大手のブラジルのヴァーレ社並びにオーストラリアのリオ・チント社、BHP Billiton社は中国の鉄鉱石需要減少で鉄鉱石の国際コモディティ―価格が下落しているにも関わらず、世界でのマーケットシェアを拡大して中小規模の鉄鉱石生産企業をマーケットから締め出すために増産を続けている影響で更に価格が減少している。
また欧米の経済成長の停滞も鉄鉱石需要に歯止めをかけている一方で、2016年までの鉄鉱石の増産は2億トンが予想されており、そのうち80%がブラジル及びオーストラリアによる増産が予想されている。
中国の鉄鉱石需要の減少やブラジルのヴァーレ社並びにオーストラリアのリオ・チント社、BHP Billiton社鉄鉱石の供給過剰の影響で鉄鉱石供給が需要を上回っているために、今後は更に鉄鉱石の国際コモディティ価格は下落すると予想されている。
ゴールドマン・サックス社のアナリストのクリスティアン・レロンゴ氏は2021年までに中国の中小規模の鉄鉱石生産会社を中心に生産性の低いブラジルやオーストラリアの鉄鉱石生産会社が淘汰されると予想している。
シティバンクでは含有量の優れているカラジャス鉱山の鉄鉱石は65ドルでも採算が取れるが、昨年操業開始したミナス州のコンセイサン・イタビリトス鉱山の南東部システムはすでに生産調整を余儀なくされている。
2014年末の1トン当たりの銅鉱石の国際コモディティ価格は前年比14.27%下落の6,319.5ドル、アルミは2.93%増加の1,864ドル、ニッケルは9.36%増加の1万5,310ドル、亜鉛は4.2%増加の2,158ドル、錫は16.85%下落の1万8,750ドル、鉛は16.91%下落の1,855ドルとなっている。(2015年1月1日付けヴァロール紙)