ブラジルアルミ生産協会(Abal)の発表によると、今年のブラジル国内のアルミ素材生産は国内消費の減少並びに電力料金の高騰によるオペレーションコストの上昇に伴って収益が大幅に悪化している影響で大幅に減少すると予想されている。
今年のブラジル国内のアルミ素材生産は前年比25%減少の97万8,000トンが予想されており、1990年以降では初めて100万トン割れになると予想、また国内消費は前年比3.9%減少の140万トンが予想されている。
ブラジル国内のアルミ素材の需要は輸送セクター並びに消費セクター建設セクターで大幅に減少している一方で、Abal協会ではアルミ素材需要の15.5%を占める建設セクターの需要回復に期待している。
今年9カ月間の自動車生産部門のアルミ消費は前年同期比16.8%と大幅に減少して、世界金融危機後の2009年以降では初めて前年同期比で減少に転じている。
例年ブラジルのアルミ消費はGDP伸び率を4.0%~5.0%上回っており、2015年のアルミ消費は今年を5.0%上回るとAbal協会のミルトン・レゴ会長は予想している。
昨年のアルミ素材生産大手のBHP Billiton社、ALCOA社、 Votorantim Metal社は電力エネルギー料金の高騰でアルミの減産を余儀なくされており、昨年の電力エネルギー料金は生産コストの55%を占めていたが、10年前の生産コストは34%であった。
昨年のMWh当たりの電力エネルギー料金は61.2ドルで2001年の2倍以上の値上りしており、アルミ素材メーカーは減産による余剰電力エネルギーの販売を余儀なくされているとミルトン・レゴ会長は説明している。
アルミ素材生産大手が生産の再開や減産中止をするためにはMWh当たりの電力エネルギー料金は40ドル以下でなければ採算が取れないとミルトン・レゴ会長は説明している。
また現在の1トン当たりのアルミの国際コモディティ価格は2,100ドルで生産コストに相当しており、アルミ素材生産で利益を上げるためには1トン当たり最低2,500ドルが必要であると予想されている。
今年9カ月間のアルミの輸入は前年同期比369%増加、今年のアルミ輸入は前年比269%増加の38万4,000トンが予想、アルミの輸出は前年比24%減少の31万8,000トンが予想されている。
ブラジルのアルミ輸出はアルミ製品輸出からアルミナやボーキサイトの原材料輸出に移行してきており、今年のアルミ関連輸出は9.5%増加の39億ドル、そのうちアルミナ輸出は23億ドルを占めると予想されている。(2014年12月4日付けヴァロール紙)