中国の1トン当たりの鉄鉱石のスポット価格は、中国の国内総生産伸び率の停滞並びにオーストラリアを中心とした生産過剰による需給バランスの崩れが影響して91.90ドルと今年初めの鉄鉱石価格よりも32%下落している。
今年の1トン当たりの鉄鉱石の国際コモディティ価格は、108ドルと昨年の平均鉄鉱石価格135ドルよりも20%減少で推移しており、今年1年間の平均鉄鉱石価格は105ドルが予想されている。
今年の中国の鉄鉱石輸入は、世界の鉄鉱石貿易の2/3に相当すると予想されているが、今年の世界の鉄鉱石供給量は21億6,000万トンに達すると予想されている。
バークレイズ銀行では今年の鉄鉱石の供給量は需要を1億9,000万トン上回ると予想、2015年は1億3,000万トン上回ると予想して、供給過剰になるために鉄鉱石価格は低い水準で推移すると予想している。
ヴァーレ社並びにリオチント社、BHPBilliton社、 Fortescure Metals社による鉄鉱石増産が供給過剰の原因となっており、特にオーストラリアが1億トンの鉄鉱石供給過剰の原因となっている。
1トン当たりの鉄鉱石価格が90ドルを下回れば採算割れになるために、鉄鉱石生産会社は一斉に操業停止すると予想されているが、昨年末の鉄鉱石を生産する70中小企業の平均設備稼働率は80%であったにも関わらず、今では65%まで低下している。(2014年8月22日付けヴァロール紙)