ブラジル国内のアルミ素材の生産が電力料金の上昇に従って生産コストが上昇して、収益を圧迫されているために減産を余儀なくされており、国内のアルミ素材需要を補うためにアルミ素材の輸入が増加の一途をたどっている。
過去6年間にブラジル国内のアルミ素材生産は40%減少、連邦政府は国内のアルミ素材需要を補うために、アルミ素材の輸入関税を8月18日から1年間に亘って6.0%から免税にする。
今後1年間の免税対象のアルミ素材は30万トンに制限、現在の国内のアルミ価格はロンドン取引所の1トン当たり2,000ドルを550ドル上回っている。
ブラジルアルミ協会(Abal)の統計によると、今年上半期のアルミ素材輸入は11万7,000トンと昨年1年間の5万トンを大幅に上回っており、生産コストが収益を圧迫しているためにアルミ素材メーカーは軒並み減産を余儀なくされている。
6年前のブラジル国内のアルミ素材生産は170万トンであったにも関わらず、今年は僅かに100万トンの生産が予想されており、国内需要を満たすには大幅なアルミ素材輸入が必要となっている。
昨年のブラジル国内のアルミ素材消費は150万トン、今年は前年比5.0%の消費が見込まれているために60万トンの輸入が必要となっているが、2012年の生産並びに消費は同じであった。
アルミ素材メーカーのAlcoa社並びに BHP Billiton社、 Novelis社、 Votorantim Metais社はアルミ素材の一部の生産を見合わせて、余剰電力を販売して企業を維持しているが、今後ブラジルはアルミ素材を輸入、アルミ原料のボーキサイト輸出の傾向がますます強くなってきている。(2014年8月14日付けヴァロール紙)