世界2大のセメントメーカーであるフランスのラファージュ(Lafarge)とスイスのホルシム(Holcim)は合併で合意したが、独占禁止法に触れないために資産売却を迫られており、100以上のプライベート・エクイティやセメント会社などが資産の買収に名乗りを挙げている。
両社の資産売却はオーストリア並びにハンガリー、ルーマニア、セルビア、英国、フィリピン、ブラジルで所有する資産売却が予定されているが、合併後の両社の年間売上は440億ドルに達する。
昨年12月に日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)は、ブラジル国内のセメント業界は寡占状態にある同一業種の企業が競争を避けて利益を確保するため、価格・生産量・販路などについて協定を結ぶカルテルを形成していたと罰金を言い渡した。
Votorantim Cimentos社に対する罰金は15億6,500万レアルで自社のセメント生産の35%に相当する資産売却を余儀なくされる可能性があり、Holcim do Brasil社に対する罰金は5億800万レアル、Itabira Agro Industrial社には4億1,170万レアル、Cimpor Cimentos do Brasil社には2億9,700万レアル、Camargo Correa Cimentos 社には2億4,100万レアル、Companhia de Cimento Itambe社には8,800万レアルの罰金が科せられる可能性がある。
今年5カ月間のブラジルのセメント生産は前年同期比2.8%増加の2,880万トン、過去12カ月間のセメント販売は7,070万トン、今年のセメント販売は前年比3.1%増加が予想されている。
世界のセメント会社の生産ランキングは1位がCNBM社の3億4,300万トン、続いてホルシム社の2億1,800万トン、ラファージュ社の2億1,400万トン、ANHUI CONCH社の2億900万トン、HEIDLBERGCEMENT社の1億1,400万トン、 CEMEX社の9,600万トン、 ITALCEMENTI社の8,100万トン、 HUAXIN社の6,500万トン、 ULTRATECH 社の5,800万トン、VOTORANTIM社の5,400万トンとなっている。(2014年7月22日付けエスタード紙)