世界3位の資源大手のヴァーレ社は、本業の鉄鉱石などの資源開発などのコア事業に集中するために、広げすぎたポートフォーリオ部門の資産売却を積極的に行って資金調達をしている。
ヴァーレ社は、2014年に8事業での資産売却で35億ドルを調達すると予想されており、特にアルミニウム並びにボーキサイト、銅関連事業の売却が有望と予想されている。
ヴァーレ社は、アルミメーカーのNorsk Hydro社の21.6%の株の放出、鉄鉱石生産のMRN社の40%の株の放出、ヴァーレ傘下のVLI が所有するLog-In社の31%の株の放出、チリのボーキサイト生産のパラゴミナス・プロジェクト、チリのトレス・ヴァェス銅鉱山の売却が有望と予想されている。
カナダのトンプソン・ニッケル鉱山も2014年の売却が予想されており、今年2月にはパラ-州のサラボ金鉱山並びにカナダのSUDBURYニッケル鉱山をカナダ資本のSilver Wheaton 社に19億ドルで売却した。
また今年9月には1万700キロメートルの鉄道網とそれに接続する複数の港湾 ターミナルを活用してブラジル中部及び北部地域で穀物や肥料、製鉄原料や鉄鋼製品などの一般貨物を対象とした複合一貫輸送サービスを提供するVLI社の 35.9%の株式をブラジル連邦貯蓄銀行が運営する投資ファンド(FI-FGTS)と三井物産に27億レアルで売却している。
バークレイ銀行では、ヴァーレ社の理想的な資産放出である100億ドルを達成するために、アルゼンチンのメンドーサ州リオ・コロラドのカリウム鉱山の売却、ペセン港にあるCSP製鉄所の50%の資産の売却、オーストラリアの石炭プロジェクトの売却、50%の資本参加している米国のカリフォルニア製鉄所の売却などを奨励している。
ヴァーレ社は、鉄鉱石並びに石炭並びに肥料などの生産に集中するために今後も継続して自社の資産売却を予定しており、パラ-州カラジャスの鉄鉱石生産プロジェクトのS11Dのために195億ドル、モザンビークの Moatize石炭開発のために65億ドルの投資を予定している。
ヴァーレ社の初期投資総額が60億ドルに達するメンドーサ州リオ・コロラドのカ リウム 鉱山開発プロジェクトは、開発コストが約2倍に当たる110億ドルまで増加していることやアルゼンチン政府の政治的介入で、プロジェクト推進が困難をきた しているために、3月に開発プロジェクト中止を発表して2,700人の従業員を解雇している。
ヴァーレ社の2012年の投資総額は、210億ドルを予定していたにも関わらず、実際には175億ドルが投資されたが、今年の投資総額は163億ドルと昨年を下回っている。(2013年10月15日付けヴァロール紙)