中国の予想を下回る経済成長率やヨーロッパの債務危機などの影響を受けて、鉄鉱石の生産並びにコモディティ価格が低調に推移している影響で、資源大手企業は投資の先送りを余儀なくされている。
しかしヴァーレ社は生産プロセスのテクノロジー改善に伴って生産コストが収益コストに見合うと判断して、あえて含有量が40%と非常に低い鉄鉱石生産に55億ドルを投資する。
1942年から鉄鉱石生産が開始されたミナス州のイタビーラ地域のConceição Itabiritos I 鉱山、Conceição Itabiritos II鉱山並びに Cauê- Itabiritos鉱山に39億ドルを投資する。
ミナス州のVargem Grande鉱山には16億ドルを投資、ヴァーレ社はミナス州内に19カ所の鉄鉱山を擁しており、南部システムの鉄鉱石はMRS Logistica 鉄道でリオ州イタガイ港、南東部システムの鉄鉱石はEFVM鉄道でエスピリット・サント州のヴィトリア港から輸出されている。
ヴァーレ社の2017年の鉄鉱石生産は4億200万トン、ミナス州の鉄鉱石生産は2億1500万トン、カラジャス鉱山などの北部システムの鉄鉱石生産は、1億8,500万トンが見込まれており、2012年の3億3,200万トンの生産量から26%増加が予定されている。
昨年の世界の大手鉄鉱石生産企業40社の純益は、生産量が前年比6.0%増加したにも関わらず、鉄鉱石の国際コモディティ価格の減少に伴って、前年比49%減少して収益が大幅に悪化してきている。
2012年の大手鉄鉱石生産企業40社の投資総額は1,400億ドル、そのうち67%は先進諸国、33%は新興国、2013年の投資総額は1,100億ドルに減少すると予想、新興国の投資比率は40%に上昇すると予想されている。(2013年6月19日付けヴァロール紙)