投資総額が60億ドルに達するアルゼンチンのメンドーサ州リオ・コロラドのカリウム鉱山開発プロジェクトをアルゼンチン政府が継続を要請しているにも関わらず、昨日、ヴァーレ社は中止を発表している。
430万トンのカリウム鉱山開発にはすでに22億ドルが投資されているが、アルゼンチンの実際のインフレ率は政府発表を大きく上回っており、高い税金、貧弱なインフラ並びに人為的な為替政策、低い鉄鉱石の国際コモディティ価格などの要因で、開発コストが上昇してきているために、プロジェクトの中止に追い込まれている。
このカリウム鉱山の開発はすでにプロジェクトの45%が終了しているにも関わらず、過去数カ月間で現地通貨に対するドルの為替が30%上昇しているために、収益性がさらに悪化してきて中止を余儀なくされている。
ヴァーレ社では、メンドーサ州リオ・コロラドのカリウム鉱山開発プロジェクト以外にもアフリカのギニアのシマンドウ鉄鉱山開発では、契約問題や政治リスクなどを抱えている。
メンドーサ州リオ・コロラドのカリウム鉱山開発プロジェクトには4,500人が雇用されているために、メンドーサ州のフランシスコ・ペレス州知事は、ヴァーレ社に対してプロジェクトの継続を要請、またジウマ・大統領とクリスティーナ・キルチネル大統領は3月末前後に会談を予定している。(2013年3月12日付けエスタード紙)