安価で安定的な供給が可能なイタイプー水力発電所の電力エネルギーを活用して、リオ・チント社は、パラグアイ政府と同国内でアルミ精錬を行う事業について話し合っている。
パラグアイでのアルミ精錬所建設に伴って、世界的なアルミ生産が可能となるために、ブラジルのアルミ関連製品メーカー、電線、アルミ管などの製造業の企業誘致を行って、パラグアイ政府は、国内産業の育成並びにブラジルやアルゼンチンなどへ輸出を図る計画を立てている。
電力エネルギー料金がアルミ生産コストの1/3を占め、またブラジルの電力エネルギーが非常に高いために、収益性を圧迫されているブラジル国内のアルミメーカーのヴォトランチン/CBA社並びにAlcoa社、BHP Billiton社 Norsk Hydro社、 Novelis社は事業拡大を見合わせている。
ブラジルの電力料金コストが非常に高いために、アルミ生産のアルコア社は、ブラジル国内の2工場の閉鎖を検討しているために、連邦政府は電力料金の引下げの検討を余儀なくされている。
リオ・チント社はアルミ精錬能力が年間67万4,000トンのアルミ工場建設に35億ドルの投資を予定、パラグアイ政府は、一大工業コンビナートのインフラ整備に40億ドルの投資を見込んでいるが、すでにブラジルの16企業がパラグアイで事業を行うと発表している。
アルミ精錬で採算がとれる電力料金はMW/H当たり30ドル、ヨーロッパの財政危機並びに中国のアルミの消費低下で、ロンドンの昨年下半期のアルミのコモディティ価格がトン当たり2,000ドルと21.54%と大幅に下落したために、アルミ生産の世界的メーカーであるAlcoa社、BHP Billiton社、リオ・チント社の収益が大幅に悪化している。(2012年5月28日付けヴァロール紙)