大統領官邸プラナルト宮では、10月の大統領選挙終了直後の11月1日に照準を合わせた11年ぶりの鉄道コンセッション入札を実施するために、連邦会計検査院(TCU)の要求事項を満たすために最大限の努力を払っている。
ブラジルの中央部を南北に縦断してブラジル国内ロジスティックの大動脈の役割を果たすことが可能となる南北鉄道は、1987年のジョゼ・サルネイ政権から開始されたにも関わらず、15年以上に亘って鉄道工事建設が中断されていた。
ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ政権から南北鉄道の建設工事は再開されたにも関わらず、資源大手ヴァーレ社によるトカンチンス州アサイランジア-パルマス間720キロメートルの鉄道が稼働しているに過ぎない。
ルーラ政権を継いだジウマ・ロウセフ政権では、経済成長加速プログラム(PAC)によるサンパウロ州Estrela d'Oesteとゴイアス州 Porto National間の1,537キロメートルの鉄道建設入札を予定していたにも関わらず、ジウマ大統領が罷免されて入札が先送りされていた。
ジウマ大統領後任のミッシェル・テーメル大統領は、南北鉄道の建設工事を2016年9月に発表していたインフラ事業の更なる民営化を目的とした投資パートナーシッププログラム(PPI-Programa de Parcerias de Investimentos)での完成を予定していた。
しかし入札が予定されていた多くのPPIインフラ整備プロジェクトは、テーメル大統領弾劾に繋がる政治危機、一般参加の公聴会や連邦会計検査院(TCU)からの要請、投資家を呼び込む収益率の見直しなどで先送りされていた経緯があった。
サンパウロ州Estrela d'Oesteとゴイアス州 Porto National間の1,537キロメートルの南北鉄道の民営化プロジェクトのコンセッション運営期間は30年間、総額28億レアルの投資が見込まれている。
投資総額28億ドルレアルのうち20億レアルの投資は、113台の機関車並びに3,795台のワゴン車購入に予算計上されていたが、連邦会計検査院(TCU)では、投資額削減のために機関車14台、ワゴン車416台削減による2億4,620万レアルの予算削減を許可している。
連邦会計検査院(TCU)では投資額削減の見直しで、南北鉄道コンセッションの入札最低価格を16億レアルから10億レアルに削減して、入札参加企業拡大を促している。
サンパウロ州Estrela d'Oesteとゴイアス州 Porto National間の1,537キロメートルの南北鉄道が完成してもサンパウロ州サントス港やマラニョン州イタキ港までは、背骨に相当する南北鉄道と交差する肋骨に相当する鉄道で縦横無尽に結ばれる。(2018年8月8日付けエスタード紙)