サンパウロ市の交通渋滞の緩和並びに穀倉地帯マット・グロッソ州からサントス港向けの穀物輸送でサンパウロ市内を迂回、グアルーリョス空港での貨物輸送によるサンパウロ市内の停滞を防ぐために、20年近く前から大サンパウロ都市圏の環状線工事が開始されていた。
今回入札にかけられたのは大サンパウロ都市圏環状線の北部区間47.6キロメートルで、サンパウロ州内ではサンパウロ市とサントス港湾を結ぶAnchieta-Imigrantes間の高速道路を運営しているEcoRodovias社がイタリア資本Atlantia社傘下のAutostrade Concessoões e Participações Brasil社に競り勝った。
EcoRodovias社は、今回の入札では最低価格を90.97%上回る8億8,300万レアルで落札した一方で、Autostrade社は、最低価格を僅かに12.0%上回る5億1785万レアルを提示していた。
2017年にEcoRodovias社は、Patria社が最低入札価格の130.89%で落札したサンパウロ州内の574キロメートルに高速道路入札では2位に甘んじて落札に失敗していた。
また昨年の720キロメートルのRodovia dos Calçadosと呼ばれている高速道路入札では、カナダ資本Brookfield 社傘下のArteris社が最低入札価格の438.17%で落札して、EcoRodovias社は2位に甘んじて落札に失敗していた。
昨年のEcoRodovias社は連続して落札に失敗していたために、今回の入札では応札が僅か2社にも関わらず、最低価格を90.97%上回る価格を提示して落札したにも関わらず、同社の株価は3.95%下落した。
今回の大サンパウロ都市圏環状線の北部区間47.6キロメートルの入札では、東部区間を落札していたCCR社が最有力候補と見られていたにも関わらず、収益性の観点から応札を見合わせていた。
今回入札にかけられた大サンパウロ都市圏環状線の北部区間47.6キロメートルの区間1は、今年7月の完成、区間2は12月に完成してEcoRodovias社の運営に入るが、大サンパウロ都市圏環状線の完成で、ブラジル最大のサントス港湾とグアルーリョス国際空港が直結されて経済効果が飛躍するとジェラルド・アルキミン知事は絶賛している。
大サンパウロ都市圏環状線の東部区間はCCRが2002年10月から運営、南部区間はSPMar社が2010年4月、西武区間はSPMar社が2015年6月からそれぞれ運営している。(2018年1月11日付けエスタード紙)