2006年に建設開始されたプレソルト鉱区で生産される天然ガスの精製を目的としたリオ州のリオ石油製油所コンビナート(Comperj)の建設工事は、2014年3月に発覚した連邦警察のペトロブラス石油公社関連ラヴァ・ジャット作戦汚職問題による公共事業プロジェクト停止や新規インフラ事業取消などの影響で2015年7月から中断されているが、ペトロブラスでは、工事再開するために投資企業を探していた。
リオ石油製油所コンビナート(Comperj)の投資予算は83億8,000万ドルで開始されたが、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題の影響で2015年10月には5,000人の従業員の解雇を余儀なくされていた。
リオ石油製油所コンビナート(Comperj)の建設工事を請け負った9社のゼネコンによる5億4,400万レアルの水増し請求が連邦会計検査院(TCU)の捜査で発覚して工事を中止、維持費のかかる無用の長物となる「白い象(white elephant)」となっていた。
既に130億ドルの投資を行っているComperjコンビナート建設再開するために、昨日ペトロブラスのペドロ・パレンテ総裁は、中国石油天然ガス集団(CNPC)との共同開発で覚書に調印したものの詳細は公表されていない。
第1回岩塩層下(プレソルト)原油開発のリブラ鉱区の入札では、ペトロブラス石油公社並びにフランス資本のTotal社、英国/オランダ資本の Shell社、中国海洋石油(CNOOC)、中国石油天然ガス集団(CNPC)のコンソーシアムだけが入札に参加、最低価格の150億レアルで落札した。
リブラ鉱区の石油開発では、ペトロブラス石油公社の資本参加率は40%、Total並びにShellがそれぞれ20%、中国海洋石油(CNOOC)並びに中国石油天然ガス集団(CNPC)がそれぞれ10%の資本参加している。
今年1月にペトロブラスは、2020年からサントス海盆で生産される天然ガス精製する工場をComperjコンビナートで建設するための共同開発計画を発表していた。
Comperjコンビナートを抱えるリオ州Itaborai市のサービス税(ISS)による歳入は、Comperjコンビナートの建設中止の影響を受けて、60%も減少して市役所の財政を圧迫している。(2017年7月5日付けエスタード紙)