ジウマ・ロウセフ大統領在任中の2014年に入札にかけられGalvão Engenharia社が落札した国道153号線のコンセッション方式による建設工事がクレジット問題で一向に進んでいないために、返納を余儀なくされている。
国道153号線コンセッションは、ゴイアス州アナポリス市とトカンチンス州アリアンサ・ド・トカンチンス市を結ぶ625キロメートルの国道の複線工事で、投資総額は43億1,000万レアルが見込まれていた。
しかしコンセッションを落札したGalvão Engenharia社は、ペトロブラス石油公社のラヴァ・ジャット作戦汚職問題に絡んでいるために、社会経済開発銀行(BNDES)から70%のクレジットが約束されていたにも関わらず、クレジット停止で建設工事が中断している。
2001年に設立された運輸省直轄の国家陸路輸送庁(ANTT)にとって、落札したコンセッションがクレジット停止による建設工事の目処が立たないためのプロジェクト返納は初めてのケースとなる可能性があるにも関わらず、Galvão Engenharia社では、外資系金融機関からのクレジットを用いて工事継続を模索している。
この国道153号線のコンセッション以外にも問題を抱えているのは、ゼネコン大手のInvepar社が請け負っているゴイアス州並びにブラジリア直轄地、ミナス州をまたぐ国道40号線の940キロメートルの複線工事で、60キロメートルの複線工事のみが完了している。
またゼネコン大手のCCR社が2014年上半期に請け負った南マット・グロッソ州の国道163号線工事は847キロメートルであるにも関わらず、2015年9月までに僅かに90キロメートルの工事が完成している。
Triunfo Participações e Investimentos社が請け負った総延長距離が1,176キロメートルの国道60号線、153号線、262号線は今年2月まで僅か65キロメートルの複線工事が完了しているだけに過ぎない。
またOdebrecht Transport社が請け負った総延長距離が851キロメートルのマット・グロッソ州の国道163号線では117キロメートルの複線工事が完了、コンソーシアムMGOが請け負った総延長距離が437キロメートルの国道50号線の複線工事は、僅かに10%が完了しているに過ぎない。(2017年3月14日付けエスタード紙)