連邦政府は、昨年9月にインフラ事業の更なる民営化目的に投資パートナーシッププログラム(PPI-Programa de Parcerias de Investimentos)を発表、空港並びに港湾、鉄道、道路の交通運輸、エネルギー、上下水道の3分野において実現性の高いインフラプロジェクト34案件を発表していた。
連邦政府は、国内外企業に対してインフラ投資を呼び込むための牽引プロジェクトとして、運行の平均速度が160~180キロメートル、最大速度が200キロメートルで、サンパウロ市からジェンジアイ市並びにカンピーナス市を経由してアメリカーナ市まで135キロメートルの中速度鉄道建設を計画、投資総額は55億ドルで建設期間は3年~4年を見込んでいる。
また連邦政府は、連邦直轄地ブラジリア市からゴイアス州都ゴイアス市間の210キロメートルの中速度鉄道建設、投資総額は85億ドルで建設期間は3年~4年を見込んでいる鉄道建設を計画している。
運輸省直轄の国家陸路輸送庁(ANTT)を中心に、中速度鉄道導入に関する技術規準や製品規格、土地収用や環境ライセンス取得における官民の役割分担、公立銀行による融資条件、投資優遇措置など総合的な分析を行っているが、投資金調達には、官民合同プロジェクト(PPPs)形式のコンセッションになると予想されている。
サンパウロ市からアメリカーナ市までの135キロメートルの所要時間は、1時間前後で1キロメートル当たりの投資額は1億2,000万レアル、またブラジリア市からゴイアス市間の210キロメートルの所要時間は、1時間30分前後が予定されている。
サンパウロ州政府では、サンパウロ市からアメリカーナ市間135キロメートルの中速度鉄道建設以外にもサンパウロ市とヴァーレ・ド・パライーバ渓谷間の中速度鉄道建設並びにサンチスタ低地とソロカバ地方を結ぶ中速度鉄道建設計画も俎上に載せている。
投資総額が300億レアルに達するジウマ・ロウセフ大統領にとって、最大のインフラ整備プロジェクトであるサンパウロ市経由のリオ市とカンピーナス市を結ぶ総延長距離が510キロメートルの高速鉄道計画は、忘れ去られた状態となっている。(2017年2月21日付けエスタード紙)